言の葉は彼にきかず ページ24
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ぐらぐらする視界の中、思い切って口を開く。
今の。
今の晋助に。
せんせいなら、なんていう。
『......君は今、自分のなりたいと思う武士になれていますか』
「......は？」
一瞬にして、晋助の顔色が変わった。
私は、その言葉に続くようにしてまた、口を開くが。
『何かから、逃げているだけじゃ無いんで――！！』
ヒンヤリとした感覚があった。気が付けば首元には、ご丁寧に斬るか斬られないか、既の所で刀は止められており。
すぐに気に障る事を言ったのだと、自覚する。
「そういやお前ェは人の心を読むのも得意だったか......俺も得意な方だが、俺ァお前の読心を聞き入れるつもりは無ェんでな。」
『......そ』
「逆にお前ェこそどうだ。取り返すものを失った後、牙は鋭く見えたが......鱗になりかわって来やがった、と」
――晋助の言う通りだ。
先生を失った後、私の攘夷に向く気持ちは強まっていた。でもそれは、ほんの一瞬で。
(先生は、死んだ。)
じゃあ今、守れるものは何。そう考えると自然に、攘夷なんかしてられなくなって。長髪の侍に、銀髪の侍がいるって噂をたまたま聞いて、まさかと思って戻ってきて。
――相棒として私が為せる事はなんだ、なんて。
『晋助がやるってんなら、私は止めない。けど――小太郎だけは、私が止めるよ』
「ククッ、やれる物ならやってみやがれ。まァせいぜい首を取られねェ様、足掻くこったァ」
首元にあった刀をキン、と離せば自分の手元に戻す晋助。何かに感付いたように部屋を出ていく背中に『首......？』と頭を傾げた。
船が、揺れる。
ドゴォン、なんて砲弾の音。
(助けに、行かなきゃ)
見捨てるわけじゃない。
晋助は、私の言葉を聞かなかった。
ただ、それだけのこと。
――けれども今は、この船に自分の相棒がいる気がしてならないのだ。
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KR - 幻想郷の神になってみたいさん» コメントありがとうございます！ツッコミ有難いですｗｗ (2017年3月9日 18時) (
レス) id: 3a54a61494 (このIDを非表示/違反報告)
幻想郷の神になってみたい(プロフ) - 最後まで読んだ時に思わずお前かいっ！(゜д゜)って突っ込んでしまいました……完結おめでとうございます！ (2017年3月9日 9時) (レス) id: 320209cd0b (このIDを非表示/違反報告)
KR(プロフ) - まめりんごさん» コメント有難うございます！桂さん良いですよね......！凄く分かります笑。頑張りますね！ (2017年1月26日 22時) (レス) id: 3a54a61494 (このIDを非表示/違反報告)
まめりんご - 続編おめでとうございます！私は、桂がダイッスキなので、ホント、この小説にはまりました！！応援してます！ (2017年1月26日 19時) (レス) id: 93fa4ba951 (このIDを非表示/違反報告)
KR(プロフ) - 苺(まい)さん» コメントありがとうございます！！と......とてつもない勢い......だと！？嬉しくて跳ね上がりそうでした、更新頑張りますね笑 (2017年1月22日 9時) (レス) id: 3a54a61494 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：KR | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/wirall05201/
作成日時：2017年1月21日 22時
