鱗 ページ22
.
「随分うなされてた様じゃねェか、A」
『あ、れ......』
目に映ったのは、見慣れない天井。
「気分はどうだ」なんて語り掛けてくる晋助に『最悪』だなんて返答してやれば「ククッ」と怪しい笑みが。――子供時代の可愛さは何処へ。
頭がぐらぐらする。
そんな事より、小太郎は。
神楽ちゃんは、どうなったの。
『こ、こは......?』
「鬼兵隊の船ン中だ。」
思考回路がグニャリと巡りだした。さっきのは夢だったのか、なんて安堵のため息をつきながら記憶の糸を辿る。確か金髪っ娘の銃弾止めて、視界がブラックアウトして。もしかして倒れた?なんて思うが、何故どうしてこんな所に。
そんな私の不思議そうな顔を見たからか、晋助は口を開いた。
「熱の癖に無理して倒れるたァ、変わっちゃいねェな」
『熱?』
確かに心なしか、体が熱いような――熱くないような。
朝からの頭の痛みはそれだったんだと納得はするが、今も昔も、というのは。
あの夢の続き。
運良く騒ぎを聞いた小太郎が返ってきて、天人たちをなぎ倒し、目の前で死んだ仲間を見て固まっている私を予備基地まで連れて行ってくれたのだが。
「牙というよりかは鱗――死なせねェ為に動いてやがるな」
『鬼兵隊には、入らないよ......』
「別に構わねェが――片腕としてどうなる事なんだかなァ」
『......』
晋助と落ち着いて話せるのは、今くらいしかないんだろう。
何とか説得できないか――と、私は思い切って、口を開いた。
98人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
KR - 幻想郷の神になってみたいさん» コメントありがとうございます!ツッコミ有難いですww (2017年3月9日 18時) (レス) id: 3a54a61494 (このIDを非表示/違反報告)
幻想郷の神になってみたい(プロフ) - 最後まで読んだ時に思わずお前かいっ!(゜д゜)って突っ込んでしまいました……完結おめでとうございます! (2017年3月9日 9時) (レス) id: 320209cd0b (このIDを非表示/違反報告)
KR(プロフ) - まめりんごさん» コメント有難うございます!桂さん良いですよね......!凄く分かります笑。頑張りますね! (2017年1月26日 22時) (レス) id: 3a54a61494 (このIDを非表示/違反報告)
まめりんご - 続編おめでとうございます!私は、桂がダイッスキなので、ホント、この小説にはまりました!!応援してます! (2017年1月26日 19時) (レス) id: 93fa4ba951 (このIDを非表示/違反報告)
KR(プロフ) - 苺(まい)さん» コメントありがとうございます!!と......とてつもない勢い......だと!?嬉しくて跳ね上がりそうでした、更新頑張りますね笑 (2017年1月22日 9時) (レス) id: 3a54a61494 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:KR | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/wirall05201/
作成日時:2017年1月21日 22時