馬鹿らしい気持ち ページ11
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「は?お前今、なんつって......」
『いやだから、私――小太郎のこと、大切に思ってるんだと思う』
こんな気持ちは居心地が悪くて――頭の中を、何かがふわりふわりと舞っているような感覚で。もちろん自分の相棒になんて相談できないから、少しの希望を持って銀時に明かしてみたものの。
万事屋に、静かな沈黙が流れる。
――数秒後、ぶっと噴き出した銀時の笑い声が私の耳に届いた。
「おまっ、何を今っさらっ」
「Aはヅラが好きアルか〜」
「Aさんって、不器用ですよね...っ!」
『笑わないでくれる!?』
クププ、と必死に笑いをこらえる銀時達。
おいふざけるなよ、乙女が相談してんだぞ本気で。なんて少しばかり怒りを覚えるが、そんな色恋沙汰に巻き込まれたこともなかったし、今まで色恋になんて興味はなかったから。
(恋って、何だろ)
きっと今も、顔が赤いままに違いない。
そんな思春期くさい考えがぽっかりと浮かんでいるのを黙認すれば、絶対に私の思考回路はおかしくなってしまったんだろうと三人から目を背けた。
(でも戦場じゃ、こんな考えを持っていちゃダメ。)
そうだ、小太郎なんて好きじゃない。
好きじゃないし、嫌いでもない。
そう、相棒のまま――そう、相棒のまま。
なんて心を落ち着かせれば、銀時たちに話してしまったことを酷く後悔した。後先考えずにこんな事をするからだぞ、と昔言われた気もする小太郎の声が蘇ってきて。
考えがぐしゃりと絡み合って、よく分からなくなってしまった。
――ピンポン、とチャイムが鳴る。
どうやらお客さんが来たようだが、私はというと聞こえ方の不自然さに少し首を傾げていた。ぐらりと頭がもたれる。何これ、頭重い。
体の異変に眉をひそめながらも、お客さんを待った。
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何故か、嫌な予感がした。
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KR - 幻想郷の神になってみたいさん» コメントありがとうございます!ツッコミ有難いですww (2017年3月9日 18時) (レス) id: 3a54a61494 (このIDを非表示/違反報告)
幻想郷の神になってみたい(プロフ) - 最後まで読んだ時に思わずお前かいっ!(゜д゜)って突っ込んでしまいました……完結おめでとうございます! (2017年3月9日 9時) (レス) id: 320209cd0b (このIDを非表示/違反報告)
KR(プロフ) - まめりんごさん» コメント有難うございます!桂さん良いですよね......!凄く分かります笑。頑張りますね! (2017年1月26日 22時) (レス) id: 3a54a61494 (このIDを非表示/違反報告)
まめりんご - 続編おめでとうございます!私は、桂がダイッスキなので、ホント、この小説にはまりました!!応援してます! (2017年1月26日 19時) (レス) id: 93fa4ba951 (このIDを非表示/違反報告)
KR(プロフ) - 苺(まい)さん» コメントありがとうございます!!と......とてつもない勢い......だと!?嬉しくて跳ね上がりそうでした、更新頑張りますね笑 (2017年1月22日 9時) (レス) id: 3a54a61494 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:KR | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/wirall05201/
作成日時:2017年1月21日 22時