40.どの面下げて ページ40
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「なに?今勉強してるんだけど」
彼の朝の行動にまだ腹を立てていた私はなるべく冷たい声で話したが、黙って入ってきたジュンギュはゲーム機を抱えてこっちを見ていた。
どの面下げて来たんだろう…
「ゲームしに来たの?」
私の質問を無視したジュンギュは口を噤んでこちらに近づいて来たが、私の手元の洋書を見るやいなや、せせら笑った。
ジュンギュ「わ〜、可愛い可愛い新入生のために課外授業の準備をしてるんだ?」
「うん、一応教える立場だからね」
ジュンギュ「Aはいつからそんなに面倒見のいい人間になったのかな?」
「…喧嘩売りに来たの?」
ジュンギュは眉をひそめて舌打ちした。
舌打ちしたいのはこっちだよ…
ジュンギュ「………その新入生と出かけて楽しかった?」
「まあ、楽しかったよね…君が私の服を汚さなかったらもっと楽しかったかも」
きっと私じゃなかったら、彼が部屋に入るなり塩をかけて追い出しただろう。
ちょっと私、優しすぎるんじゃない?
ジュンギュ「自意識過剰じゃない?Aの服装なんて気にしてないよ、そいつは」
「いや?今日褒めてくれたけど?普段と雰囲気違って可愛いですねって」
ジュンギュ「…は?」
「…あ、私に恋人できたらオートロックの暗証番号変えるから」
ちょっとキムジュンギュを驚かせようとして発した言葉だったが、私の想像以上に効き目があったのか、
彼は見開いていた目をすぐに吊り上げた。
ジュンギュ「はは…本気で言ってんの?」
手をぶるぶる震わせながら話すジュンギュを見ると、とてもじゃないが、もう揶揄う気にはなれなかった。
なんで怒ってるんだろう。
そんなに私が幸せになるのが気に入らないのか?
「ところで、本当になんで来たの?ゲームするため?」
ジュンギュ「家庭教師をしようと思って」
「うん?」
どういうことだ?
ジュンギュ「俺がAの家庭教師になってあげる」
「家庭教師?」
ジュンギュ「うん」
「なんの?」
ジュンギュ「これだよ」
そう言ってジュンギュは抱えていたゲーム機を私に見せつけるように掲げた。
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扇子(プロフ) - みさん» いえいえ!こちらこそ読んでいただきありがとうございます!これからも更新頑張りますね☺️ (2022年6月26日 1時) (レス) id: 3dae27e4b9 (このIDを非表示/違反報告)
み - 更新してくださりありがとうございます! (2022年6月25日 0時) (レス) @page47 id: 4940a29e5c (このIDを非表示/違反報告)
扇子(プロフ) - ゆゆさん» わ!ありがとうございます!!嬉しいです☺️ (2022年6月3日 17時) (レス) id: 3dae27e4b9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ - おもしろすぎて最高です! (2022年6月3日 1時) (レス) @page41 id: 4940a29e5c (このIDを非表示/違反報告)
扇子(プロフ) - みつきさん» わ〜!!ありがとうございます!!嬉しいです☺️これからも楽しんでいただけるように頑張りますね!! (2022年6月2日 22時) (レス) id: 3dae27e4b9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:扇子 | 作成日時:2022年5月19日 18時