39.後輩とドヨン ページ39
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ドヨン「お!?ジョンウ?ジョンファン?」
「ヒョン!久しぶりじゃないですか!」
「わ…何してんですか…こんなところで」
彼らはドヨンの知り合いのようだった。
長身でよく目立つ彼らを見て、類は友を呼ぶなんて言葉を思い浮かべる。
ドヨン「あ!先輩!僕の高校の後輩です!」
ジョンウ「……あ…こんにちは…」
ジョンファン「…………こんにちは…」
気まずそうに挨拶をする彼らに私も気まずくなりながら挨拶を返した。
社交的なのはドヨンだけのようだ。
ジョンウ「…えっと……」
ドヨン「同じ学科の先輩だよ!本を一緒に選んでもらったんだ!」
ジョンファン「…ヒョン…カッコつけないでください…恥ずかしい…」
ドヨンの後輩は久しぶりの再会が嬉しかったのか、ずっとドヨンをからかっていた。
随分慕われてるんだな…
ジョンウ「んじゃ、そろそろ行きますねー!ヒョンもたまには顔出してくださいよー!」
ドヨン「うん!行くよ!」
ジョンファン「肉奢ってくださいー」
ドヨン「うん!オーケイ!」
騒がしかった彼らは手を振りながら私達から離れていった。
―――
「どこだっけな〜」
ドヨンが家の前まで送ってくれて、無事に帰宅した私は探し物をしていた。
部屋の隅にある箱を開けて探っていると、偉大なギャツビーの洋書を見つけた。
この箱の中に大好きな本をたくさん収納していたのだが、
ここ最近は文学に怠惰になっていたため、
取り出す機会もなかった。
バイトに明け暮れてたなんて言い訳だよね…
きっかけをくれたドヨン…
「ありがとう…」
本を取り出して机の上に置き、ページをめくってみたが、
私が勉強をしていた当時の書き込みがたくさんあり、
あまり状態は良くなかった。
線が引いてあるし、単語の意味も書いてあるし…
勉強した筆跡を眺めながら、文学にのめり込んだ新入生時代の自分を思い出し、万感の思いが込み上げてきた。
そのまま椅子に座ってページをめくりながら、
ドヨンとの勉強プランを考えていると、
オートロックを解除する音が聞こえてきた。
ついに悪魔はインターホンを鳴らすという手間を省くことにしたらしい。
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扇子(プロフ) - みさん» いえいえ!こちらこそ読んでいただきありがとうございます!これからも更新頑張りますね☺️ (2022年6月26日 1時) (レス) id: 3dae27e4b9 (このIDを非表示/違反報告)
み - 更新してくださりありがとうございます! (2022年6月25日 0時) (レス) @page47 id: 4940a29e5c (このIDを非表示/違反報告)
扇子(プロフ) - ゆゆさん» わ!ありがとうございます!!嬉しいです☺️ (2022年6月3日 17時) (レス) id: 3dae27e4b9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ - おもしろすぎて最高です! (2022年6月3日 1時) (レス) @page41 id: 4940a29e5c (このIDを非表示/違反報告)
扇子(プロフ) - みつきさん» わ〜!!ありがとうございます!!嬉しいです☺️これからも楽しんでいただけるように頑張りますね!! (2022年6月2日 22時) (レス) id: 3dae27e4b9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:扇子 | 作成日時:2022年5月19日 18時