検索窓
今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:3,550 hit

~4~ ページ4

.






うそ…………なんで…??どうして…??



目の前の光景が信じられないあまり、声も出ない。


力が抜けて、持っていたカバンが地面に落ちる。


でもカバンのことも、


大勢の人混みの中立ちすくむ私を邪魔そうによけていく人たちのことも、


何も考えられなかった。



ただただ私は数メートル先で初雪を見上げながら


微笑んで歩いてくる彼を見つめるしかなかった。





10年前、

私に"初めて"を沢山くれた人。

私が素直になれた人。

私が初めて恋に落ちた人。



……そして、突然私の目の前から居なくなってしまった人。


まさにその人が目の前にいた。



「ひろ……?どうして……」



思わず口からこぼれた言葉は届くはずもなく


雪のように人混みに掻き消された。


頭が真っ白になって 視界が涙でぼやけた。




涙をぬぐった次の瞬間、彼はどこにもいなかった。

待ってよ。

夢だった?

私の幻だった?

どうしてよなんで今私の前に現れたの?


夢でもいい、幻でもいい。


気付けば私は無我夢中で


人混みを掻き分けて彼の姿を探していた。




.

~5~→←~3~



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (1 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
9人がお気に入り
設定タグ:北山 , 藤北 , 藤ヶ谷
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:Keiko | 作成日時:2015年10月17日 12時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。