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『こんばんは、』
エントランスに降りると、すぐに車が来た。
「こんばんは、ぴったりだったね」
『ふふ、そうですね』
今日の仕事がどうだった、とかいろいろな話をしながら、吉川さんが予約した料亭に向かう。
「でも嬉しかった、Aさんから会いたいって言ってくれると思わなかったから」
『実は、お話があって。』
机の上にはお茶と甘味、ちょっと悲しそうな顔をした彼が、こっちを見る。
『一つだけ、ずっと打ち明けられなかったことがあります』
「...うん」
『私、多分、恋愛ができない体質なんです』
詳しく、教えて、と吉川さんが口を開いた。
『吉川さんのこと、とても素敵な方だと思います。結婚したらきっと幸せな家庭が築けると思います。』
「うん、」
『私、吉川さんのことが好きです。だけど、恋愛的感情ではないんです。多分、吉川さんが持つ感情と、私が持つ感情は、一緒にはならないと思います。友情とか、家族愛とか、そういう感情でしかあなたを愛することはできません。』
ずっと、言えなくてごめんなさい、と頭を下げる。コト、と湯呑を持ち上げた音、お茶を飲む音、また湯呑を置く音が、静かな部屋の中に響いた。
「実はね、ちょっと気づいてた。」
『、』
「君はきっと、僕のことをそういう目で見ることはないんだろうなって。君の過去のことも、親が調べて、あまり長く続かないのは何か問題があるからだって結論になった。例えば、家に帰ると人格が変わるとか。だけどそうじゃない所に違和感を持つようになったんだよね。気づいてる？僕といるとき、いつも悲しそうな目をしてる。」
『...すみません、』
「他に忘れられない人がいるのかと思ってた、けどちょっと予想外のとこに行った(苦笑)マイノリティーってことだよね、おまけにあんまり知られてないし、理解されない特徴」
同級生にいたんだ、って、困ったように、笑った。
「僕は、今のを聞いてもこのまま君と結婚したいと思ってる。情でも何でもいい、君が罪悪感を持つことはない。僕が好きになったのは君だし、そんな君のすべてを好きでいたい」
すっごい照れる、って笑ったその顔が、すごく優しくて。
「いつか、君が結婚してもいいって思えるようになるまで待つから。どうかこのままずっと、一緒にいてほしい」
お庭から夜空に浮かぶ満月が見えた。
きっと、私はこの優しい人の世界でずっと生きていくことになるって、そう思った。
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あきんこ(プロフ) - みいさん» 初めまして、ありがとうございます(*´▽｀*)/これからも楽しんでいただけるよう精進してまいりますので、よろしくお願いいたします！ (2020年1月5日 20時) (
レス) id: 27a3d26bce (このIDを非表示/違反報告)
みい - はじめまして。読みやすい文章で、とても楽しく読ませていただいております。これからも頑張ってください！ (2020年1月4日 23時) (レス) id: 68fc344d1d (このIDを非表示/違反報告)
あきんこ(プロフ) - あまさん» コメントありがとうございます！両方一緒に読んでいただけてとても嬉しいです、頑張ります( *´艸｀)よろしくお願いします！ (2020年1月3日 23時) (レス) id: 27a3d26bce (このIDを非表示/違反報告)
あま - 更新お疲れ様です!!!Lightの方と同時に楽しみにしてます!これからも頑張ってください!!! (2019年12月30日 22時) (レス) id: 5287825b4c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あきんこ
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=akinko0125
作成日時：2019年12月25日 11時
