【M!LK】漂流シアター～Winding Road～ 2 (ページ10)

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夏生「仁人……」

ビニールの紐で縛られた仁人が、舜太に引かれながら眉をひそめていた。
そう、今から外に出ていくのは、俺と舜太、そして、仁人の3人だ。

勇斗「万が一この拘束から逃れて、また暴れられたらたまったもんじゃないからな。
だから、こいつも一緒に連れていく」

仁人「……」

何か反論してくるのを覚悟したが、何やら不気味なほど何も言わず、仁人は誰を見るでもなく、ただうつむいて舜太に紐を引かれていた。

A「本当に行くの？」

勇斗「大丈夫。無茶はしないし、夜までには戻って来る」

電源の少なくなったスマホの時間は、現在昼の12時。

A「分かった……。絶対帰ってきてね。そうじゃないと、私も探しに行くから」

勇斗「あぁ。じゃあ行ってくる」

A、夏生さん、太智の3人を残し、俺達は車に乗り込み、この広大な荒野の砂漠を出発することにした。

勇斗「太智、後は頼んだぞ」

太智「……はい……」

そして、俺が運転席に乗り込み、キーを回し、車のエンジンが軽快に掛かったところで、この砂漠の手掛かりを探すため、俺はアクセルを踏んでこの砂漠の先を突き進んでいった。
ルームミラーから見える、3人の見送りを背にして。

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