【M!LK】漂流シアター～Winding Road～ 2 (ページ4)

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A「もうやめて勇斗！！」

でも、震える細い腕が、俺の振り上げられた腕を抑えつけた。

A「これ以上は、もう駄目だよ……」

勇斗「A……」

振り返った先で、Aが涙を流しながら必死に俺の腕を掴んでた。

A「もうやめて……勇斗……」

A、お前は何でそんな顔してるんだ。
俺は、なんか悪いことしてるのか……？

俺は、お前の為に……。

いや、本当にそうか？

この拳は、何のために振り上げた？
俺は一体、何のために。

仁人「うっ……」

俺の下で、苦しそうな唸り声が聞こえる。
Aから目を離し、その声のする方を見ると口から血を流す仁人。
これを、俺が……。

頭から血の気が引いて、段々と冷静になって考えることができる。
俺は、こいつをどうしようとしたんだ。
この拳で、俺はこいつを……。

初めはAが襲われたという怒りでこの倉庫に飛び込んだ。
だけど、この握った拳に籠った想いは、Aを凌辱された怒り、

だけじゃない。

俺は……。

仁人「いつまで俺の上に乗ってんだよ！」

そんな一瞬の隙をつかれ、俺が馬乗りになってた仁人が勢い良く体を起こし、俺はそのまま後ろに突き飛ばされた。
そして、仕返しとばかりに、俺の胸倉をつかみ、右の頬を思い切りぶたれたのを感じた。
鋭い痛みが頬や口内に突き刺さる。