【M!LK】漂流シアター～Winding Road～ 2 (ページ48)

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柔太朗「そうだね。僕はきっと君たちが知りたいことを知っているかもしれないし、どうすればいいのかもわかっているかもしれない」

勇斗「え？！本当か？！なら早く―

柔太朗「けれどそれは、僕の口から言うべきことじゃない。
君たちが自分で見つけるしかない」

何を言ってるんだこいつは。
俺はそう思った。
こいつが何者かはこの際置いておくとしても、何かを知っているのなら、何でそれを俺達に教えてくれないんだ。
俺達が自分で見つけるしかないとは、どういうことなんだ。

勇斗「そ、そんなこと言うなよ！何でもいいんだ！何か知ってるなら、教えてくれ！頼むから……！」

けれども、必死に懇願する俺をなだめるような、そんな穏やかな表情で、柔太朗は首を横に振っていた。
頑として俺達には何も教えてくれないということだろうか。

仁人「ふざけんなよ……！お前まさかそうやって自分だけ助かるつもりじゃないだろうな！！
自分だけ、助かる方法を知ってるってことなんだろ？！」

そう言っていきり立つ仁人は、そのまま拳を握りしめて柔太朗へと駆け寄った。
毎度のことながら、なんて喧嘩っ早い奴だ。
握った拳を振り上げ、今にも柔太朗に殴りかかろうとしている。
止めなきゃいけないが、仁人の拳の方がはるかに速い。
そして、仁人の拳が柔太朗の頬を捕えようかというまさにその時。

柔太朗「暴力は好きじゃないな」

仁人「っ？！」

仁人の拳は、柔太朗の頬に届くことなく、彼の華奢な手ががっしりと殴りかかるその腕を掴んでいたのだ。