ちゃんと先生してる高城さん ページ5
「やっぱり知ってた。
その二人は今、夢ノ咲の教師をやってるんだけど―
って、もう時間…？ほらほら、早く帰りなさぁい。
講師として生徒が遅くまで残るのは見過ごせない。」
「高城さんって緩いよね」
「デクくん黙るんだ。
…よく言われるから。」
無理矢理にでも皆を帰し(というか、途中まで一緒に帰った)、夢ノ咲に戻る。
今日は…流星隊のプロデュースか…。
あんずちゃん先輩はトリスタメインだから、なるべくだったら他のユニットを私が担当したい。
流星隊が貸し切っているという防音練習ルームを訪れる。
「おぉっ！高城じゃないか…☆
待ち侘びたぞ！」
「ひぃ、も、もりちあ先輩…」
出た、苦手な先輩！
三年生は苦手な先輩だらけだから正直好かない。
特に、この人みたいに煩くて敵わない人は苦手だ。
「あ、Aちゃん…。おかえり…。はぁ…。」
もりちあ先輩の後ろからゆらぁ、と出てきたのはみどりんだった。
相変わらずでかい。
「みどりん、鬱？大丈夫？カウンセリングする？」
「しないから…。」
した方がいいのに。
みどりんはそうやって「いいですよー」なんて後回しにするから貯めるんだ。
そのうち、爆発するよ…たぶん。
そんなことを考えていると、背中に冷たさが伝わる。
ぐしょ、と嫌な音を立てて何かが抱きついたようだ。
「ふふふ♪Aさん〜、
いっしょにぷかぷか、しませんか？」
「します。」
「いやいや！？したら濡れちゃうっスよ！制服濡らしたら駄目っス〜！」
後ろから抱きついてきた天使(ぷか先輩こと奏汰先輩)に思わずＯＫを出すと、これまた可愛らしいメッシュの入った天使(テトちゃん)が止める。
いいじゃないか。女子だけど別に。
「制服が濡れたら透けてしまうでござるよ！」
「そうっス！」
「いや…もう既に背中びしょびしょなんだけど。」
背中を触ろうとすると絶対ぷか先輩に触れるので、やめておく。
私も「退いてください」と突き放せない(だってぷか先輩が可愛いんだもの)。
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作者名：ゆぅた@花国りんご | 作成日時：2017年7月17日 21時
