ダリ先生の同級生、教師陣に懐かれるそうです。 (ページ10)

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8,警備教師2 ページ10

イフリートside

『ところで、なんで不審者がいるって分かったんですか？』

A「あぁ～、俺の家系能力だよ。」

『Aさんの、家系能力。』

A「そ、俺の家系能力は探知機(レーダー)。範囲内にいる悪魔の位置がわかるんだよ。一度会ったことがあれば、誰かまで特定できる。今、俺はバビルス全体を範囲としていて、バビルス内にいる悪魔は把握している。なのにいきなり、校門以外の場所から悪魔が増えたら、不審者くらいしかないでしょ。」

『なるほど。』

簡単そうに言ってるけど、Aさんの家系能力はあくまで何処にいるかがわかるだけであって、会ったことが無ければ特定まではできない。その弱点を理解しながらも、どうすればいいかを考えて使っている。すごいな。ダリ先生がいて欲しいと言ったわけだ。

『Aさん。ありがとうございました。本当は僕が一番に対応しなければならないのに……。』

A「そう思うことは良いことだけど、自分を卑下しすぎないでね。バビルスは広いんだし、俺みたいな能力を持ってないと、全体を把握するのは大変でしょ。」

『それはそうですけど、僕は警備教師だし、Aさんにも迷惑かけましたし。』

A「あぁ～、じゃあちょっと付き合ってよ。」

『えっ？』

僕がどういうことか考えているうちに、Aさんは先に歩いていった。考えても分からないので、慌てて追いかけた。

『あの、どこに向かってるんですか？』

A「着けばわかるよ。」

それだけ言ってAさんは何も言わなかったので、とりあえずついて行った。

A「着いたよ。」

『ここって……。』

しばらく歩いて、たどり着いたのは、学校の隅にひっそりある喫煙所だった。僕が驚いていると、Aさんが声をかけてきたのでそちらを見ると、Aさんがタバコを出していた。

A「俺に迷惑かけたと思うなら、ちょっとイフリートの火、頂戴。それでタバコ吸ってみたかったんだよね～。」

『えっ、Aさんってタバコ吸うんですか？』

A「まぁ、たまにだけどね。で、くれるの？」

『あぁ、良いですよ。』

Aさんのちょっとしたギャップに、驚きながらも指先から火を出してAさんにあげた。
(てかこの悪魔、タバコ似合うな。どうせなら僕も吸うか。)

A「あ～、うま。イフリート先生さ、少し抱え込み過ぎじゃない？」