ダリ先生の同級生、教師陣に懐かれるそうです。 (ページ15)

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13,戦術学教師2 ページ15

イチョウside

Aさんが指示出し得意じゃないって、嘘でしょ……。ていうか____

『そんなに笑わなくてもいいのでは？』

A「わ、悪いっ。だってっ、そこまで、驚かれるとはっ。」

Aさんは今、腹を抱えて笑ってる。涙も浮かんでるし。そんなに笑うことか？堪らえようとしてるみたいだけど、堪えられてないし、敬語外れてるし……。

A「あぁ～、笑った笑った。」

『落ち着いたようで良かったです。あと、敬語外していいですよ。さっき普通に外れてましたし。』

A「えっ、まじかぁ〜。無意識だったわ。じゃあ、そうさせてもらうわ。で、なんだっけ？」

『指示出しが得意じゃないってことですよ。』

A「あぁ～、そうだった。俺は考えて指示を出すよりも、動きながら考える方が得意なんだよ。体を動かしてわかることもあるし。」

『確かにそうですね。その場を体感するのも、戦略を考える上では大切ですし。』

A「おっ、わかってるね。」

『まぁ、一応、俺は戦術学の教師ですから。』

A「なるほど、そういうことか。じゃあさ、数が不利の状況で相手を鎮圧しなければならない。イチョウ先生ならどうする？」

Aさんから質問された。単純な興味か、それとも俺を試してるのか……。

『弓使いはいますか？』

A「うーん、そうだね。いないものとしようか。」

『なら、敵の隙をついて奇襲しますかね。』

A「隙がない場合は？」

『つくります。』

A「洗礼された敵ほど隙をつくるのは難しいよ。」

『それは……。』

それはそうだ。でも、隙をつくれないとなると、奇襲のみ？いやそれだ決定打が弱い。だったら……。

A「ふはっ」

他の方法を考えているとAさんがいきなり笑い出した。

『Aさん？』

A「悪い悪い。いじめ過ぎたな。今回の状況だと、敵をバラけさせて各個撃破が最適だろ。」

『確かにそれができれば、損害も少なくできますけど、そんな簡単に敵をバラけさせられるんですか？』

A「方法はいくらでもあるな。魔術を使ったりとか、使い魔を使ったりとか。」

『あ～、そうですね。』

思いつかなかった。凄いなこの悪魔。てか、指示出しが得意じゃないとか、やっぱ嘘でしょ。

『じゃあ、俺からも___』

俺とAさんは意外と気が合ったのか、その後も時間を忘れて、語り合っていた。