風の彩、虹の香。9 ページ39
Epilogue2
「智さん、何釣れました？」
「んーふふっ、今はアジが中心かなぁ。穴子も釣れる時期だけど今日はやっぱりね。………はい！これぇ！！ねねっ、凄いでしょ。」
それは軽く３０㎝はあるほんのり桜色に染まった魚で、俺達三人はリーダーが持ち上げた代物に感嘆の声を上げていた。
「………えっ？タイ？」
「うん。そう！」
「マジ？これ釣ったの？」
「ふふっ…、釣れちゃった。」
「………リーダー本当に漁師になれるんじゃ無い？」
「船長にもよく言われる。ん、でもこれは久々だよ。やっぱりね、お魚にだって気持ちは伝わるんだって思ったよね。もう時間だから帰ろうとしたらね、グッて突然引いたの。」
「はぁ、どっちにしても凄いわ。」
「ふふっ。それより他のものは？」
「完璧。」
「そうそう。誰かさんが簡単に教えてくれたからね。直ぐ買い出し出掛けましたよ。」
「ああ！あいつには内緒にしてよね。またバカにされる。」
そうなんだ。
結局二人を誤魔化し続けるなんて事、俺が出来る筈は無くて、あの後無言の脅迫に耐えきれず、………２、３秒だけどね。俺は『多分』と付け加え話してしまった。
結果、直ぐこの多分は外された。
昼飯と一緒に頼んだ言伝てに驚きながらも嬉しそうだったと、態々連絡をくれたからね。
「そんな事無いよ。それより相葉ちゃんが分かったのに俺らが引っ掛かった方がツボるんじゃ無い？」
「同感。はぁ、やられたぁ〜。俺全然気付かなかった。」
「あの慌てっぷりはなかなかでしたよ。」
「ふふっ、そうなの？」
「ええ、もうそれは………」
「ああ！！それこそ絶対言うなよなぁ！！」
「いえ、絶対！言います！！」
「そうそう。さーてと………。」
俺達はマンションを前にして同時に見上げた。
皆がどんな気持ちで見ているのか？正直気にもなったんだけど、それは互いの胸に仕舞って措くべき事なんだと思った。
ただ言える事。
今、この瞬間、あの子の家の前に並んでいると言う事。
誰一人欠ける事無くいる事は紛れもない真実で。
その事を、誰よりも何よりも切望している事を知っている。それを言葉にする事は無いのも分かっている。
だからこそ、今こうして俺達はここに居る。
今頃平静を装いながらもドキドキしている姿が浮かんだ。
そして、この合図に微笑む姿も………。
「おまたせ。」
「「「「happybirthday！！」」」」
End。
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YUY(プロフ) - 汐さん» 見て頂きありがとうございます。うん、イメージ的に真面目な子ほど、分からないんじゃないかな？って。(笑)後半も後５日ですね。待ってて頂ければ幸いです。たまには明るいの書きたくて。(笑)あの子が楽しそうなのが一番！感想ありがとうございました！！ (2015年6月12日 6時) (
レス) id: dde059238c (このIDを非表示/違反報告)
汐(プロフ) - ああー、翔潤の慌てっぷりもかわいいけど、大野さん相葉さんのわかっちゃうかんじもまた、愛を感じますね…！やっと来た、あの子のお誕生日、楽しく読ませていただいてます。 (2015年6月11日 23時) (レス) id: 9e1bb7f1b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：YUY
| 作成日時：2014年11月25日 15時
