呼んで。緑黄 ページ19
帰りの車の中で掛かっていたラジオから自分の名前を呼ばれ意識を現実に戻すと、運転席のマネージャーが苦笑していた。
「本当、好きですよね。」
バックミラーから覗く瞳はとても楽しそうで、慣れてるとは言え気恥ずかしい気持ちは変わらない。
「違うって。あいつは何でも俺を出しとけば良いと思ってんだよ。」
「………。」
「何？」
「ま、そうしときましょ。」
「………そうなんだよ、本当に。」
「…そうですね。」
「………。」
マネージャーのこれ見よがしな視線を感じながらも、俺はそ知らぬ振りを決め込もう窓越しの夜景に視線を戻した時。
『……だから、そう言う話は相葉さんのラジオに送ってよ。』
また、俺の名前が車内に響いた。
「っつ！あんの、バカッ！また人に押し付けるっ！」
ラジオの主はやたらと俺の名前を連呼して、話をややこしくしてくる。
当人は凄くて楽しそうだけど、こっちの身にもなれって言いたい。
毎回毎回、俺を好きな様に使って話をし、結局俺に放り投げる。
それをファンの子達が楽しんでいるのも知っているから、好きにさせてはいるけど。
楽しそうな笑い声が聞こえる。
本当に楽しそうだよ。
それをこうして聞いてる俺がいて。
それは昔から変わらない事だけど。
最近分かった事はただひとつ。
それはね。
俺がその声に助けられている事だ。
＊
半年後に生まれたあいつは俺なんかと違い頭が良くって。要領も良いから効率的で器用で。周りを見渡す俯瞰の目があるから全体を把握して、人との距離をつめるのが得意だから誰とでも仲良く出来て。
帰り道が同じだっただけの偶然から生まれた出会いは、時を経て気付けば誰よりも長く一緒にいる相手になっていた。
あれから20年以上。
「相葉さん、相葉さんって」
何度あの声で呼ばれただろう。
俺がいない時でも、今みたいにラジオやTVからも聞こえてくる。
時には雑誌の誌面や噂からも入ってくる声。
その度。
「ホント仲良いよね。」
って言われてね。
だけどそれの何処がどう仲良いのか分からなかったけど。
色んなグループやコンビの人から話を聞くうち、この関係が如何に貴重か教えられ。
だいたい最後は。
「二宮君って相葉君の事ホント好きだよね。」
で締められる。
最近思うのはそう言って貰える事が嬉しくて、そう言って貰える度に元気になれる自分が居て。
「相葉さん。」
って、昔から変わらず呼んでくれる事が俺を強くしてくれる。
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YUY(プロフ) - ちえさんさん» いえいえ。こちらこそ何時もありがとうございます。どうもこの二人のイメージは家族に近いんだよね。もう恋とか飛ばしちゃった感じかな？相葉さんが唯一お兄ちゃんになれる場所。(笑)まず誕生日企画一弾お待たせしました。(笑) (2017年6月25日 18時) (
レス) id: 846e4e6c3c (このIDを非表示/違反報告)
ちえさん(プロフ) - むふふふっ。いいなあ、この感じ。ベタベタしてないのに、空気感がどうにも甘い時ありますよね。あの二人。素敵なお話ありがとうございました！ (2017年6月25日 14時) (レス) id: c694c3d91d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：YUY
| 作成日時：2017年2月16日 13時
