トランジトリー【東海オンエア】

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「やあどうも、東海オンエアのてつやと」

「りょうと」

「としみつと」

「虫眼鏡だ」


「っわ、本物だ」

テンポのいい挨拶を聞き、口から滑り落ちた言葉に、東海オンエアもさとも笑っている。
そう、私たちが今日、コラボするのは「東海オンエア」。

一週間前に、パソコンを立ち上げメールボックスを確認すると、見慣れないアドレスからメールが届いていた。
メールを開くと、そこには「一緒に動画を撮りたい」、「てつや」の文字。
驚きすぎてしばらく画面を眺めていたが、急いで返信した。

「今日はよろしくお願いします」

「よろしくー」

「しばゆーとゆめまるいなくてすまんね」

「いやいやいや、そんな、十分です、ホントに！」

てつやさんが２人の不在を謝ってきた。もちろん２人とも会ってみたかったけれど、今はそんな余裕がないくらい満足している。てつやさんは未だに、コラボなのにさぁ、と申し訳なさそう。本当に、 動画で見ている通りの優しさだ。

雑談もほどほどに、さとが今回の動画の企画を説明しだす。虫眼鏡さんと打ち合わせをしてたんだとか。

「で、文系理系に分かれて、結晶を作ってもらいます！」

「え、結晶？石とかの？」

「しかも文系理系やん…」

「東海オンエアさんとのコラボなんで、何をしてもおもしろいかなと」

てつやさんとりょうさんはポカン顔だし、としみつさんは文理で分かれると聞いて嫌そう。私も実はこの企画を聞かされていなかったから、どんな展開になるのか想像がつかない。

でも、文理対決といったら東海オンエアの名物企画。下手なことはできないなぁ。

「ちなみに、diceyの２人は文理どっちなん？」

虫眼鏡さんの疑問に、私とさとは顔を見合わせた。

実は、高校での文理選択は２人とも理系だったのだが、私は国語、英語しかできなかったし、さとはそもそも勉強をしてなかった。

その旨を伝えると、

「じゃんけんだな。勝ちが文系、負けは理系！はい！」

「うー、できれば理系にいきたい！」

「わ、私だって！Aはバリバリ文系じゃん！」

てつやさんの提案で、私たち２人の間に火花が散った。やるしかない、負けしかない。てつやさんととしみつさんが悲しそうな顔してるけど気にしてられない。

いざ、


「じゃーんけーん、


ぽん！！」

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