三代目死神が愛した＿＿。6【名探偵コナン×暗殺教室】

piece282　バーボンside ページ32

.




　ベイリーズがペアを解消しようと言ってきた。理由は僕の監視をする必要が無くなったからだと。
　彼女がいないとターゲットの保護はほぼ不可能になる。同行しても極稀にしか保護できないが、彼女がいた方が保護できる可能性は高い。それに、一緒にいればベイリーズの情報が落ちてくるかもしれないしな。
　解消するのは都合が悪い。


「……ではこうしましょう。今まではバーボンが私の任務に同行という形でしたが、今度は私がバーボンの任務に同行するということにしませんか？」


　どうにかして繋ぎ止められないかと思っていると、ベイリーズが願ってもない提案をしてきた。
　ベイリーズが同行してくれれば、僕に割り当てられた任務でもターゲットを保護できる可能性は残るし、ベイリーズと共にする時間も変わらない。


「しかし僕の主な任務は情報収集です。暗殺任務はだいたいベイリーズが担当しているでしょう？」
「回数が減るのは目を瞑ってください。でも、今後しばらくはバーボンにも割り当てられますよ」
「え？」


　組織の暗殺任務を全部掻っ攫っていったベイリーズが、任務数を減らすつもりなのか？
　なぜ？ と僕が首を傾げていると、ベイリーズはブラック企業の上司がしそうな笑顔を浮かべて言った。


「スタウト、アクアビット、リースリング、そしてキュラソー。あと墜落で任務遂行不可能な方々の穴埋め作業が、そろそろ流れてきますよ」


　……あぁ。忘れてた。

　幹部の穴は幹部が埋める。組織員は把握できない程にたくさんいるが、幹部4人がいなくなった皺寄せは僕らにやってくるのだ。

　ただでさえ公安で忙しいというのに組織でも忙しくなるとは……。今日本当はベイリーズの誘いを断ろうとしていたけど、体力的な休憩を挟むためにも来てよかったかもしれない。
　亡くなったNOC3人に関しては海外の活動が主だったし、何回かは外に駆り出されることになるだろう。それも日帰りで。休む暇なんてあったもんじゃない。

　僕は手元にあったお酒をグイっと飲み干し、新たにグラスへ注ぐ。二日酔いにならない程度に酔って眠りたい。
　ベイリーズは程よく会話を繋ぎ、風呂の準備や就寝のタイミングは完璧だった。彼女や妻がいたらこんな風に支えてくれるんだろうかと考えながら僕は眠りにつく。


　そして次の日、また気付かぬ内に警戒を解かれていたと気付いたのは、よく眠れたななんて思いながら登庁した時だった。
　



.

piece283‐‐新メンバー　Shade1　side→←piece281

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す