三代目死神が愛した＿＿。6【名探偵コナン×暗殺教室】

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コナンside


　駆け付けた救急隊員がクレーン車を調べる。
　観覧車を最後に止めたのは俺じゃない。あのクレーン車に乗った誰かだ。


「工藤君……」


　遺体の捜索を遠くで見守り待っていると、灰原が暗い顔させてやってきた。
　こっちに来てたのか……。


「灰原。子ども達は？」
「蘭さんたちの所にいるわ。……遺体、見つかった？」
「いや、まだみたいだ。一体誰が……」


　無事であってほしいけど、あの状況で抜け出せてるとは思えない……。


「……キュラソーよ」
「え？」


　俺はそれを聞いて一瞬意味が分からなかった。
　キュラソー？ キュラソーがクレーン車に乗ってたのか？


「彼女、私が観覧車内部で落ちそうになった時も助けてくれたの。私がシェリーだと分かっても、組織に連れ戻すでもなく囮になってくれた」


　囮……。観覧車内部って、銃撃が1ヶ所に集中した時の事か？
　狙われていたのはキュラソーだったのか……。


「記憶は……」
「取り戻してたみたいよ。その上で私や子ども達を助けた。最後、クレーン車に乗っている彼女と目が合ったの」


　そういう灰原の顔は、ひどく落ち込んでいた。
　キュラソーは最期に、組織でいることよりも、記憶喪失時に過ごした子ども達との時間を取ったのか。
　やるせない気持ちだけが残り、俺と灰原はただ報告を待つ。

　しばらくして救急隊員たちが集まりだした。


「やはり遺体の痕跡が一切ありません」
「クレーン車があるということは誰かが運転していたはずなんだが……。目撃者によると逃げた様子もないそうだし……」
「でも、骨の一つも見つからないなんてことありますかね……？」


　遺体がない？
　まさかキュラソー、あの状況で逃げ出せたのか？


「どういうこと……？」


　灰原に逃げ出したところを見たか聞こうとすると、驚いた顔をしてそう呟いている。この様子だと灰原も見ていないようだ。
　仮にあの状況から逃げ出せてたとして、組織を裏切って子ども達を助けたのなら、俺達の前に出てきてもいいんじゃないか？
　助けるだけ助けて組織に戻ったのか？

　俺は携帯を取り出しAさんに電話を掛ける。
　もしもう組織に戻ってるなら、Aさんが知ってるかもしれない。




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