え、やめてください ４【忍たま】

トリップ 真似る ページ45

三郎が去ってから





私はこれまで以上に精を出し

忍術に取り組んだ





三郎の動きを思い出しながら組手をした

そのせいか山田先生に三郎と動きが似ていると

言われてしまい恥ずかしかったが

それと同時に少し嬉しかったりする





表立って動いたり

指示したりするのは好きではないのだが

なんだかんだで私が指示するのが多くなり

学級委員長的な存在になっていた









何時しか私は後輩から天才と言われるようになった

あの人が言われたように





センスが良いと言われても

それは三郎の言っていたのを覚えていただけ

技が良いと言われても

それは三郎の組み手を真似ていただけ

作戦が良いと言われても

それは三郎が考えた作戦を少しひねっていただけ









私が天才なんかじゃなくて

三郎が天才なんだ





私にこの言葉は似合わない

三郎の方がしっくりくる





あの木の下でそんなことを思う









三郎…









.









.









『……………なんで』









ありえない









『……うそ…………だって』









こんなのって









.









.









三郎「一年早く出て行ってしまったからな」









全身が震える









.









三郎「一年早く迎えに来た」









目の前には相変わらず雷蔵さんの変装をしている









『……三郎…ッ』





恋い焦がれていた鉢屋三郎がいた





三郎「本当に…綺麗になったな」





愛しい温もりが頬に触れる

そこに自分の手を重ねた





『貴方が、いつ迎えに来てもいいように』





あの時にちゃんと言えなかった言葉を

今贈ろう









『三郎を愛してる』





少しだけ驚いていた





三郎「…まさか先に言われるとは」





本当の最初は三郎だけどね









三郎「私も愛してる…だから」





左手で腰を引かれた









.









三郎「Aを攫ってもいいか」









最高の笑みで応えよう









『私の全てを攫って』





２人は桜に祝福されながら

口付けを交わし









そしてその姿を消した









のちに忍術学園は大騒ぎとなるのだった

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