え、やめてください ４【忍たま】

トリップ すまない ページ28

小さく









三郎「A…こっちに来てくれ」





放たれた声は

なんとも弱々しく、消えてしまいそうで

抱きしめなければと思い足を動かしたのだが









三郎「すまない」





逆に抱きしめられてしまった

触れた手はとても冷たい

いつもの高い体温はどこに行ったのだろう

いつも私を満たしてくれたあの温かさは

今はどこにもない





今度は私が





『………三郎』





貴方を満たそう





『よく聞いて』





両手で頬を包み

私が今できる限りの最高な笑みで

私が今できる限りの優しい声で









.









.









『待ってる』









.









想いを伝えよう









『何年でも、何十年でも…待ってるから』





だから





『迎えに来て』









そんな泣きそうな顔をしないで

こっちは泣きたいのを我慢しているのだから

貴方がそんな顔だったら…我慢が効かなくなる









三郎「…必ず、必ず迎えに行く」





その口は私の掌に落ちた

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜





我慢が効かなくなったのだろう

彼女は顔を隠しながら部屋を出ていってしまった





八左衛門「本当に良い奴だよな」





涙をこらえながら笑う彼女は

悲しいはずなのに、幸せそうな笑顔で

三郎への愛が溢れていた





三郎「幸せもんだよ…私は」





先程の弱々しい様子はない









.









兵助「Aのことも幸せにしろよ」





真剣な表情にこれまた真剣な顔で答える





三郎「絶対に幸せにする

それと…お前らに協力して欲しいことがある」





雷蔵はひとつ笑い









雷蔵「そんな改めるなよ

何年お前と一緒にいると思ってるんだ」




三郎はニヤリと笑いながら









良い友人をもったと改めて思うのだった

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