え、やめてください ４【忍たま】

トリップ 出し物 ５ ページ13

たくさんの視線が





私に集まる





なるべく無表情で、だけど暗い顔はしない

そんな曖昧な表情で花火の音と共に舞う





花火のタイミングも演出も完璧だと思う

兵助もそうだが

伊助の几帳面さ、三郎次さんの計算高さ

タカ丸さんのセンス









全てにおいてその良さがよく出ている





花火作りもみんな頑張っていた

伊助やタカ丸さんは特に

三郎次さんは兵助の手つきや素早さを見て

感心しながらやる気を出していた

兵助の集中力も凄い





今も的確に指示を出している

兵助は良き友人だが先輩としても良い人だ





そんな皆の頑張りに応えられるよう

私も頑張ろう





この前シナ先生に舞を見てもらった時は

基礎はよく出来ていると言われた

兵助にも一通り出来ていると…









どちら共、基礎が出来ているとしか言わなかった





これを聞いて滝夜叉丸さんの言葉を思い出す





自分の舞を見つけると





最初はよくわからなかったが、今はわかる気がする

いわば私は教科書だ、習ったことだけを演じる

だけどそれでは型にハマったまま









.









そんなのつまらない









綺麗に着飾られた髪から簪を引き抜く

そうすれば、重力に従って髪がさらりと落ちる

唯一付けていた紅を拭う

そうすれば、健康的なピンク色が見える





先程の舞とは違い

くるくると身体の赴くままに舞う

舞うより躍るほうが合っているかもしれない





少しのざわめきが聞こえるが

そんなの関係ない









さぁ









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