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四十二号室　弓月 ページ45

気がつけば彩葉長が旅に出てから数ヵ月が経っておった。

その間、色々な報知(ニュース)が巷を賑わわせた。

じゃが、その中でも最大のものが我が弟の、村雨の逮捕とその後の供述の報知(ニュース)であったことは間違いなかろう。

奴はここから遠く離れた、辺境の土地で見つかった。発見された当時は、まるで化け物のごとき容姿であったという。その容姿に不審を覚えた警官が職務質問をかけ、警官に危害を加えて逃亡しようとしたために逮捕されるという奴らしくもない幕引きだった。

取調室で奴はポツポツと全てを自供したという。彼(か)の君(きみ)のこと、自分が犯した殺人のこと、逃亡生活のこと……

救いというべきか、彼(か)の君(きみ)はかなり早い内に奴の目を盗み、姿を消したことも発覚した。
「奴のもとを離れたならきっと無事で居る」
我は自分にそう言い聞かせ、彩葉長の帰りを待つことにした。

彩葉長はこの報知(ニュース)をどこかで聞いておるじゃろうか？

彼(か)の君(きみ)を連れ、彩葉長が帰ってきたならば、その時こそ全てを明かし謝罪しよう。全て我が奴を止めることができていたなら起きなかったのだから。

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お久しぶりです。
長い空白期間、申し訳なかったです。これからはちょくちょく顔を出せるのでたまに更新させていただきますね。

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