White melody __ Daiki.A (ページ9)

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大貴 side

知り合ったばかりのAちゃんと話し込んでしまっていた俺を、馬鹿でかい着信音が現実へと引き戻した

『大ちゃん？！どこにいるのまったく！！』

突然怒鳴りだす山田の声に、顔をしかめてスマホから耳を離す

そういえば、ここどこだっけ

電話の声が彼女にも聞こえていると思って、目配せする

「レッスン室301」

彼女は数十分前とは違って、ニッコリ笑ってそう言った

『なに？誰かと一緒なの？』

彼女の声が山田にも聞こえたようで、疑いの目をかけられる

なんだかよく分からないけれど、山田たちに彼女を会わせたくなかった

『そっち行くね！』

「わぁああ！！来んな来んな！来なくていいよ！」

俺の声は、ブチッと切られた音に遮られた

「ごめん…友達が来るって…邪魔だよね、ごめんね？すぐ帰るから」

彼女にそう言って謝ると、ピアノの椅子に座ったまままっすぐ俺を見つめてきた

「また…会えるかな」

ボソッと、俺に聞こえるか聞こえないかくらいの声で彼女は言った

「会える、じゃなくて…会うんだよ」

ぇ、と小さく漏らした彼女に微笑むとスマホを差し出す

「迷惑ついでに、連絡先教えてよ」

俺のわがままに、心を開いてくれた様子の彼女は快く頷いてくれた

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