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ジャーーーンと少々残念な音を出して、まるでこのピアノが俺を拒否しているみたいだった
やっぱり、楽器だって上手い人に弾いてほしいに違いない
「大貴くん弾けるの？」
「弾けない」
ぎこちなく響くドレミ
ドーと低く唸るような音
「……惚れました」
鍵盤から指を離して、そう呟く
あの日、俺はもう一度この言葉を彼女に言うなんて思いもしなかったけれど
たぶん、俺はそれを知っていて彼女にこの言葉を言ったんだ
自分が、この子を好きになることを知っていたから
「Aちゃんに、惚れました」
当の本人は固まったまま目をパチクリさせているけれど
「大好きです」
伝えたい想い
キミには、届くかな
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作者名：えつ | 作成日時：2018年10月30日 15時
