White melody __ Daiki.A (ページ15)

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「で？なに嬉しいことって」

大きなオムライスを頬張りながら、大貴くんが思い出したように聞く

そうだ、今日はピアノの力を借りないで伝えたい

「私のピアノ、良くなったって褒められたの」

「えぇー！よかったじゃん。練習頑張ってたもんね」

彼がハイタッチを求めるので、恐る恐る手を伸ばすとパンッと掌に当たる

「私のピアノは無茶苦茶だったのね…なんか力任せっていうか。でもね、伝わるって言ってくれたの」

「うんうん」

「それはね、伝えたい人ができたからじゃないかな…って」

大貴くんは相変わらず相槌を打っていたけれど、ん？と手を止めた

「ふふ、それって俺のことだったりして～」

そうからかってきたけれど、黙り込んだ私に彼も黙ってしまう

「調子狂うよ…もぅ、可愛すぎなんですけど」

大貴くんはそう言うとオムライスにがっついた

隠しきれていない赤い耳に思わず笑う

「俺もね…Aちゃんに伝えたいこと、いっぱいあるよ」

最後に呟いた彼の言葉は、しっかりと私の耳に届いた

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