帰ります ホークスside ページ18
「ごちそうさま」
「ごちそうさまです。お粗末様でした」
晩に熱があったなんて嘘みたいに、俺は朝ご飯をぺろりと平らげた。
希癒サンに、「食欲なかったら残していただいて大丈夫ですよ」と声を掛けられたけど、そんな心配はなかった。
「食い逃げで悪いけど、俺そろそろ帰るね。ありがとうございました」
「食い逃げって笑」
「そんなこと思ってないですよ。送ってくださってありがとうございました」、と彼女は律儀に頭を下げた。
お礼言うのはこっちなんだけどなあ、と思いながら頬をかく。
「布団のシーツ、洗って返すね」
「布団のシーツ！？」
「だって俺、風呂入る前に寝ちゃったから」
「いいですよそんなの！」
「あと、弘樹クンの服…は、下だけ返すね」
上はご丁寧にも、俺の翼があっても着られるように切って縫ってあった。
これは流石に返しても弘樹クンは着れないし。
上どうしようかなー、なんて考えていたからホントに驚いた。
希癒サンに聞いたら、「すみません、雑な縫い方で…」と彼女は恥ずかしそうな顔をしたけど、寧ろ丁寧すぎるくらいだと思う。
「下もいいですよ。それ、もともと私がサイズ間違えて買ってきちゃって…。どっちにしろ、弘樹には大きいんです。捨ててくださっても構わないですから」
「うーん…。じゃあ、服は申し訳ないけど俺もらってくね。シーツだけクリーニング出させて」
「悪いです」、と顔に書いてあるようなもの。
わかりやすい表情にククッと笑ってしまった。
「ほらほら希癒サン。俺帰れないんだけどー」
「ずるくないですか！？」
最終的に「…わかりました。でも忙しい中ムリしてまでクリーニング出さないでくださいね」と希癒サンが折れた。(？)
俺はもう一度お礼を言って、シーツを抱えて飛び立った。
(シーツなんて口実で、ほんとはまた、希癒サンと話したいだけだよ)
悪い大人だなあ、と自分でも思う。
だけど、彼女との空間は居心地がいい。
(希癒サンの魅力、知っちゃったかも)
あぁ、厄介な事になりそうだ。
居心地のいいとこ ホークスside→←いただきます ホークスside
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2222人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
森田真月(プロフ) - huji山さん» 教えていただきありがとうございます🙇♀自分がアホすぎてビックリです。3話の方で触れさせていただきました。 (1月8日 17時) (
レス) id: 7b12b1cfeb (このIDを非表示/違反報告)
森田真月(プロフ) - 花帆さん» わあああ！？ごめんなさい！！4年も経ってしまっている!!!通知が来なかったようでお返事しておりませんでした。申し訳ないです。コメントありがとうございます！ (1月8日 17時) (レス) id: 7b12b1cfeb (このIDを非表示/違反報告)
huji山(プロフ) - すっごく面白いんですけど、ホークスの事務所は九州で雄英は静岡なのになーと思いました笑 (1月7日 22時) (レス) @page32 id: 704ce5ae45 (このIDを非表示/違反報告)
花帆 - 更新ありがとうございます！続きも拝読できて嬉しいです！かっちゃんが塾の生徒なのも、すっごくおいしいです(o>ω<o) 続編も楽しみに応援しておりますね♪ (2020年9月15日 4時) (レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)
森田真月(プロフ) - りんさん» ごめんなさい、コメント頂いてたのに気づきませんでした…！ありがとうございます！ (2020年8月20日 11時) (レス) id: 027035f0ff (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：森田真月 x他1人 | 作成日時：2020年1月3日 22時
