無限列車 ページ19
しのぶさんが言うに、昨晩炭治郎くんたちも杏寿郎さんの任務に同行するようにと鴉から伝令が来たらしい。
向かう先の駅は把握できた。
最悪始発に遅れたとしてもどこを通るかも粗方頭に入れてある。
とにかくお館様へ伝達を…!
「奈津!」
(「杏寿郎さん…!」)
どうか夢であって欲しい。
昨夜、一連の切り裂き魔事件の犯人である鬼の頸を切った。
これでまだ終わったわけでは無い。
俺は、再び運行予定である無限列車に乗り込み、行方不明になった乗客と隊士の行方を追う事にする。
助けた弁当売りの婦人と少女からあるだけの弁当を買った。
車内で頂こくとしよう。
(「千寿郎は元気にしているだろうか?
Aは寂しい思いをしていないだろうか?」
俺は列車の座席に腰を下ろすと、車窓から外を眺めながら二人の事を思う。
汽笛の音が発車を知らせる。
この任務を終えたら、俺はAに…。
「いや…とりあえず腹拵えだな!」
弁当の蓋を開け、一口頬張ると口一杯に幸せが拡がった気がした。
「美味い!!!」
列車の車掌が揺れた。
弁当一個など瞬時に平らげてしまう俺に他の乗客たちが圧倒されている様だが、気にならない。
「あのぅ… すみません」
弁当を何個食べた頃だろうか、あの頭突きの少年に声をかけられた。
つい振り返って「美味い!!」と叫んでしまった。よもや。
少年たちもこの任務に同行するようにお館様から指令を受けたらしい。
一人より、大勢居た方が心強いだろう。
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作者名:こあら。 | 作成日時:2021年11月26日 14時