冨岡さん ページ12
翌日。
今日は久しぶりの人物に会った。
日向ぼっこをしようと縁側へ腰掛けると後ろから声が聞こえた。
「ようA!調子はどうだ?俺 何も知らなくて…」
私の唯一の同期である蓮だった。
蓮は私が負傷し、蝶屋敷へと運ばれたのを人伝に聞いて駆けつけたらしく酷く罰が悪そうな顔をしていた。
「久しぶりだね蓮!私はこの通り凄く元気だよ」
笑って見せると、蓮は笑い返した。
「そう言えば 水柱の冨岡さんも酷く心配してたぜ」
「冨岡さん?」
蓮は確か冨岡さんと同じ水の呼吸を使うんだったな。それで交友があるのだろうか?そんな憶測をしていたら噂の人物が現れた。
「息災か」
「「冨岡さん!」」
何故か蓮と被ってしまい笑ってしまった。
「俺 そろそろ行くわ また任務で一緒だったらよろしくなー!」
蓮は早く治せよ!と告げると、そそくさと去って行ってしまった。
冨岡さんと二人きりになってしまった。
合同任務の時はあまりの口数の少なさに緊張してしまった記憶がある。
何も言わず私の隣に腰を下ろす冨岡さん。
自然と目が泳いでしまう。
(「何か話さないと…!」)
「煉獄とは 上手くやっているみたいだな」
「!?」
思いもよらない言葉に驚いて私は目を丸くした。
「いつから気付いてたんです?」
「見ていればわかる みんな知ってる」
「みんな…」
みんなとは柱の面々皆知っていると言うことだろうか。
私とは目を合わさず、前だけ見て話す冨岡さん。
考えている事が良くわからない。
「A 俺は待つ
…!また話そう」
シュッ
「待つ?え…」
意味深に言葉を言い残して冨岡さんは急に消えてしまった。
いや気になるわ…。
楽しい日向ぼっこの筈がなんだかモヤモヤした昼下がりになってしまった。
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作者名:こあら。 | 作成日時:2021年11月26日 14時