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晋助さんと向かい合って食事をするも、彼は私の作った料理に箸をつけない。……それどころか、箸を握ってすらいないのである。
『晋助さん……?』
どうしたのですか、と聞くように下から伺うも、彼は私と目を合わせようとしなかった。しばらくの間流れる静寂が、私の心臓を不穏な音に変えていく。
『これは、お嫌いでしたか……?』
特にこれといって特別な物を作ったわけではない。しかし、彼は興味も無さそうに、ただどこかを見ている。
不意に私を見た晋助さんは、切れ長の目で私を睨め付けた。その視線に背筋が凍りつき、一筋の汗が伝う。
『……要らねェよ、もう』
何が、とは言わない。そうして彼は自分の懐から煙管を取り出した。それを口に咥えた瞬間、その「何が」が一体何なのか理解する。
私だ。私のことを、言っているのだった。
力無く私は立ち上がり、彼に何も言わずに部屋を出て行く。またちゃんが言っていたのは、このことだったみたいだ。
奥歯を噛んでも、握りこぶしを作っても耐え切れず、私はその場に崩れ落ちた。
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月城碧 - ハルさんすごいです!私も高杉が大好きなのですがもうキュンキュンしまくりです!最初は愛なんてなかった…ていう所からの展開が凄すぎる!もう一気に高杉をもっと好きになるとともにハルさんのファンになりました! (2018年12月4日 17時) (レス) id: de7306413f (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - 銀皐月さん» さっつんの言った通り早いですね! 本当に! 高杉への愛を詰めるだけ詰め込んでいる作品なので、終わりが早いと呆気なく思ってしまいます( ; ; ) 続編も頑張ります! 応援ありがとう! これからもよろしくね!( ´ ∀`) (2017年8月11日 9時) (レス) id: 3c0de761a5 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - エラさん» おはようございます! それはそれは、どうもありがとうございます!! 両方好きだなんてとっても嬉しいです( ´ ∀`) 続篇、本日出しますのでどうかお楽しみに!! 閲覧とコメントをありがとうございました! (2017年8月11日 9時) (レス) id: 3c0de761a5 (このIDを非表示/違反報告)
銀皐月(プロフ) - ハルー、恋は白い薔薇のようで完結おめでとう!
早いね、もう3弾いっちゃうよ。高杉好きだからこそ、泣くよね。愛がない結婚からの愛。泣くね。号泣だ。
黄色い薔薇も頑張ってね! (2017年8月10日 20時) (携帯から) (レス) id: 5de9376b0f (このIDを非表示/違反報告)
エラ(プロフ) - こんにちは!いつも楽しませてもらってます!サドリーマンも好きですが、薔薇シリーズも大好きです!「別れは、黄色い薔薇のように」も楽しみにしています♪頑張ってください♪ (2017年8月10日 14時) (レス) id: ad6183f351 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ハル | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/harumemory
作成日時:2017年7月23日 10時