13 ページ14
次の日は身体が重たく、昨晩の疲れが一気に私に押し寄せているようだ。
布団から起き上がることができずに、ただぼんやりと窓から差し込む陽の光を見つめる。
『……おい』
その時、開いた襖から彼が現れた。
私の元へ近寄り、窓へ目線を向けては「咲いた」と淡白に言う。
『何がですか?』
聞き返せば、晋助さんは「薔薇だ」と教えてくれる。そうか、あれは咲いたのか……。
私は身体を起こしてまで見る元気はなく、ただ天井を見上げた。しかし、晋助さんはなかなか部屋から立ち去ろうとはしない。
『……ここにいても、ツマラナイですよ』
乾いた笑いを混ぜて呟いた私の言葉を、彼は少々睨みつける。ふん、と鼻であしらい、壁に寄りかかるように座った。
『俺の気色を勝手に測るな』
「いたいところにいる」そう言ってくれているような言葉は、私の胸の奥底まで染み込み、溢れ返っていく。
どうしてこの人は、こんなにも私を簡単に手のひらの上で転がすことが出来るのだろうか。
そこで踊らされている私は、彼にすればとんだ阿呆に見えるのかもしれない。
でも私は、必死に踊っていた。滑稽で、ヘンテコな踊りを。
477人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
月城碧 - ハルさんすごいです!私も高杉が大好きなのですがもうキュンキュンしまくりです!最初は愛なんてなかった…ていう所からの展開が凄すぎる!もう一気に高杉をもっと好きになるとともにハルさんのファンになりました! (2018年12月4日 17時) (レス) id: de7306413f (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - 銀皐月さん» さっつんの言った通り早いですね! 本当に! 高杉への愛を詰めるだけ詰め込んでいる作品なので、終わりが早いと呆気なく思ってしまいます( ; ; ) 続編も頑張ります! 応援ありがとう! これからもよろしくね!( ´ ∀`) (2017年8月11日 9時) (レス) id: 3c0de761a5 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - エラさん» おはようございます! それはそれは、どうもありがとうございます!! 両方好きだなんてとっても嬉しいです( ´ ∀`) 続篇、本日出しますのでどうかお楽しみに!! 閲覧とコメントをありがとうございました! (2017年8月11日 9時) (レス) id: 3c0de761a5 (このIDを非表示/違反報告)
銀皐月(プロフ) - ハルー、恋は白い薔薇のようで完結おめでとう!
早いね、もう3弾いっちゃうよ。高杉好きだからこそ、泣くよね。愛がない結婚からの愛。泣くね。号泣だ。
黄色い薔薇も頑張ってね! (2017年8月10日 20時) (携帯から) (レス) id: 5de9376b0f (このIDを非表示/違反報告)
エラ(プロフ) - こんにちは!いつも楽しませてもらってます!サドリーマンも好きですが、薔薇シリーズも大好きです!「別れは、黄色い薔薇のように」も楽しみにしています♪頑張ってください♪ (2017年8月10日 14時) (レス) id: ad6183f351 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ハル | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/harumemory
作成日時:2017年7月23日 10時