【銀魂】恋は、白い薔薇のようで

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神威さんは道具なんて言ってごめんと謝っていたが、別に謝ることではない。その通りであると、私は自覚していた。

だからあの時は何も言い返せなかったし、謝られてもスッキリなどしないのである。




私は小さい頃からずっと、ただ生きて死んでいく……そう、思っていた。お伽話のように、私を連れ出してくれる人を待ちわびていた訳でもない。


愛されたいと思ったことはないし、父から愛されてさえいればそれで十分だと割り切っていた。




……でも私は、彼と出会って、初めて知ったことがある。



それは、命を懸けてまで愛したいと心の底から思う感情だ。この吹けば飛ぶような軽くて小さな命だけど、私は彼のために捧げたい。



何かのために命を懸けたことも、誰かを愛することも知らなかった私が、本気で晋助さんを想っている。自分でも呆れてしまうくらい、重たい慕情だった。




この世の全てが等価交換で成り立っているのなら、私のこの命で、何が買えるだろう？

彼の為になる、どんなモノが買えるのだろうか。



きっと私の命が何個あっても、将軍の首にもならない。世界をひっくり返すことも出来やしないのだ。



でも、それなら……せめて、晋助さんが暗闇の中で迷わないような、そんな、夜空の中で輝く月になりたい。

彼の進む前途を照らして、目的を見失わないように……真っ直ぐ、私は輝きたかった。



そんなことを思ったって、きっと月みたいになんてなれないから、私は星でも良い。晋助さんを見れるところにいるのなら、結局は何でも良いのである。



人は死んだら星になると言うが、私も星になれるのだろうか。もしそれが本当なら、私の等価交換は成立することになる。



晋助さんも、晴れた夜くらい、空を見上げてくれるはずだ。その時、たまにでいいから私を思い出して欲しい。





星になった女として、彼の記憶に綺麗に残ってくれたら……私はそれだけで幸せである。

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