素直な謝罪 ページ14
数日後。
実務修習を無事に終えた面々は、
再び警察学校の校舎にて、講義を受けていた。
「――では、今日の授業はここまでだ。
それぞれ、課題提出を忘れないように！」
教官の言葉で、
講義室を出ていく学校生たち。
『…諸伏。この前はありがとう』
景 「あ、春宮…。良かった。元気になったか？」
景光の姿を見つけたAは、
追いかけるように近寄り、お礼を述べた。
松 「次の日、大丈夫だったのか？そのまま寝て、遅刻したんじゃねぇの？」
『…問題無かったわよ』
景光の隣でニヤリと笑う松田に、
ジトリとした目を向けるA。
しかし、どこか気まずそうだ。
『…寮まで運んでくれてありがと』
景 「いや。澤井さんたちに誘導して貰ったから…
…あ、俺別に変なとこ触ったりしてねぇから…！」
『…は？』
思い出したように、
慌てたように言葉を漏らす景光に、
Aは意味が分からないという表情。
あの夜。
塔子たちから、
おんぶをされて、部屋まで運んで来られたという話を聞いた。
Aは、景光にそうして運ばれたことが恥ずかしい、という訳では無く、
弱みを見せたようで、
気恥ずかしいというか、気まずいだけなのだ。
負けず嫌いは、降谷に近しいものがあるらしい。
そのやりとりを聞いている松田は、
面白そうに笑みを浮かべ、景光を見ている。
降 「おい、ヒロ！俺はちょっと図書室に――」
その時、
先に講義室を出ていた降谷がくるりと振り向き、
景光に声をかけた。
一瞬Aと視線が合ったのだが、
小さく笑みを零すと、降谷はそのまま足早に歩いて行った。
景 「あ…、澤井さんと杉山さんにもお礼言っといてくれよ。
部屋まで運ぶのに、めちゃくちゃ助かったからな」
『…分かった。
迷惑かけて悪かったわ。
松田にも。
…ごめんなさい。
降谷たちにも謝っておいて。』
申し訳無さそうに気恥ずかしそうに、ポツリと言葉を零したAは、
そのまま降谷とは反対方向へ、歩いて行った。
松 「…えらく素直だな」
景 「…それに、珍しく恥ずかしそうだったな」
突如、肩に寄りかかって来たAの、
そして、その腕に抱えたAの体温を思い出し、
同じく恥ずかしそうな表情になる松田と景光。
松 「まぁ…とりあえず、飯だな」
恥ずかしさを紛らわすように、
その言葉とともに、2人は食堂へと向かったのだった。
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white12(プロフ) - 深海さん» お読み頂きありがとうございます！続編は、ただいま内容確認中でして、もうすぐパスワード外せると思います。少々お待ちくださいませ！ (2019年8月28日 22時) (
レス) id: 1425135a30 (このIDを非表示/違反報告)
深海(プロフ) - 続編がパスワードかかっているんですけど、まだ非公開ですか？続き楽しみにしてます！！ (2019年8月28日 22時) (レス) id: e9c616e2c7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：white12
| 作成日時：2019年8月27日 9時
