SNOW DROP 【名探偵コナン/警察学校組】

お詫びのキャンディ ページ32

松 「ほらよ。」

『…ありがと』

松 「シュークリームじゃなくて悪ぃな。」

萩 「松田…けっこう楽しそうだな？」


口元を緩める松田の顔を、
冷やかすように萩原が覗き込んだ。

松 「…あと1発残ってるんだが、萩原を狙えば良いか？」

萩 「は？いやいやいや…」


そして、相変わらずの会話が繰り広げられる横で、
Aは早速箱を開け、1つを口に放り込んだ。

幼さが残る大きな瞳が、
柔らかく細められる。


『…ん。美味しい。

ありがと。松田。』


そして、
萩原に銃を向ける真似をする松田に、
美味しそうに飴を転がしながらAが笑いかけると、


松田、そして、その他4人は、小さく目を見開いて固まった。



松 「…あ、あぁ。」

景 「…」

萩 「…笑った、よな。松田に向かって…」

シュークリームを頬張るAの笑顔を見ていたとはいえ、
“松田”に笑いかけたAに、
まばたきを繰り返している萩原。



『…それじゃ』


毎度のごとく男たちの呟きは耳に入らないようで、
もう用事は終わりよね、というように、
Aは、すっとその場を去っていった。


景 「松田、春宮さんと結構仲良くなってる？
呼び捨て、だったよな」

松 「…知らねぇよ」

萩 「…う、羨ましい。俺には笑ってくれねぇのに」

伊 「萩原は嫌われてるだけ、なんだろ？」

降 「…食堂で褒めてただろ。萩原と、あ、松田のこともか」

萩 「で、でもこの前、結構喋ってくれたぞ？それに――」


何だったんだ、というように、
顔を見合わせた後、
残りの1発の弾のことをすっかり忘れ、
そのまま模擬店を去っていった5人だった。

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