喋る人 ページ24
「おーい、ゼロ！これ、サンキュな」
「あぁ。終わったのか？」
翌日。
午前中の講義終了後、
景光に貸していた資料を受け取り、
降谷たちは並んで、昼食へと向かっていた。
景 「あれ、春宮さん…？」
降 「…」
その視線の先には、
こちらに向かってきている春宮の姿。
何十枚かある書類を抱え、顔の半分ほどが隠れている。
景 「それ、さっきの講義のレポート？
春宮さん、今日当番？」
『…え？』
景光の声に、ちらりと視線を上にあげるA。
景 「手伝うよ。ほら。ゼロも」
降 「…何で俺が…」
『え…。別に、一人で平気よ』
さらりと、書類の束に手を伸ばす景光に、
断りの言葉を投げるA。
しかし、あっという間に手元の書類は、
1/3ほどになってしまった。
景 「教官室に運べば良いの？」
『うん…、そうだけど』
そして、Aと並ぶように、
教官室へ向かう景光と、無言の降谷。
景 「そういえばさ、
この間の集団討論、春宮さん凄かったな。」
『え？』
景 「第5班の発表でさ。
教官の質問に答えてただろ？
めちゃくちゃしっかり、的確に答えてて…、
いつも口数少ないのに、なんか…別人みたいだった。」
『…討論なんだし、口数少ないと話にならないじゃない。』
景 「まぁ、そうなんだけどさ」
降 「でも、日本で刑法と行政法の見直しとなると、
時間がかかりすぎるのも事実だよな」
苦笑しながらも楽しそうな景光の後ろで、
降谷がポツリと口を開いた。
『…そうね。』
降 「順序的には、先に刑法に切り込んで、
警察組織の体系を含めて考えるべき部分もある。
しかし、現実的には――」
『確かにそうよね。
貴方の班と、確か第1班の結論も、近しいことを言ってたけど、
今の日本だと――』
景 「…え？え？」
急に始まった景光を挟んで両サイドの降谷とAによる議論。
降谷は、
3秒以上言葉を紡ぐことが珍しい相手、
と思っていたAと、熱の入った議論を繰り広げていた。
景 「春宮さん、あんなに喋る人なんだな…」
教官室に着くまで続いたそれに、
困り顔を浮かべつつも、
食堂や道場で見たときとは別人のようなAに、
興味深そうに口角を上げた景光だった。
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white12(プロフ) - 命亜さん» コメントを頂きありがとうございます。アニメ作品でしょうか。タイトルしか存じ上げないのですが，もしかすると本作に類似シーンやセリフがありましたでしょうか。もしそうでしたら，意図的ではないにせよご不快な思いをさせてしまい申し訳ありませんでした。 (2022年5月14日 10時) (
レス) id: 35753a7d46 (このIDを非表示/違反報告)
命亜 - …もしかしてイナズマイレブン知ってますか？ (2022年5月13日 19時) (レス) id: 09433d1ffe (このIDを非表示/違反報告)
white12(プロフ) - れーか、さん» れーか様: コメントありがとうございます！励みになります。ムラがあると思いますが、更新頑張りますね！ (2019年8月24日 9時) (レス) id: 1425135a30 (このIDを非表示/違反報告)
れーか、(プロフ) - 更新頑張ってください！面白いですね！ (2019年8月24日 0時) (レス) id: d62f4a4e4f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：white12
| 作成日時：2019年8月24日 0時
