検索窓
今日:39 hit、昨日:35 hit、合計:30,818 hit

甘くてほろ苦い_3 ページ16

「あれ?松田、何で2本持ってるんだ?」

「へぇ。松田にしてはずいぶん可愛らしい飲みものだな」


降谷が松田の手元にふと視線を向けて首を傾げると、その1つがホットココアであることに小さな笑みを浮かべた諸伏。


「…うるせぇよ。押し間違えたんだよ」

「あー。そこの自販機、昨日くれぇから確か商品が変わってたな」

「お、班長良く知ってんな。
なるほどな。陣平ちゃんがいつも飲んでる缶コーヒーを押したつもりが、それだったってことか。
てっきり俺への差し入れかと思ったぜ?」

「は?なんで俺が萩に差し入れ持ってくんだよ。気持ち悪ぃな」


またもジャレ合うようにして笑う萩原に、チッと小さな舌打ちをこぼしつつ鬱陶しそうにかわしている松田。
そんな彼らを見ながら、伊達たち3人はハハッと楽しそうに笑っていて。


「っていうか、ココアの差し入れって…。萩原、甘い飲み物好きだったっけ?」

「まぁ、嫌いじゃねぇけど…飲まねぇかな」

「なんだよそれ」


もう一度冗談めいた笑みを浮かべる萩原に、
苦笑いで眉をひそめた諸伏を見て、


「言ってることと矛盾だらけだな。萩」


と、降谷が小さく笑った。




そうして、ふと松田の方に向き直る萩原。


「もしそういう差し入れすんなら、桜庭ちゃんに、じゃねぇ?」

「は?」
「ん?」
「え?」



「…は?」


降谷、伊達、諸伏に続いて、松田がワンテンポ遅れてその1文字を発した。


「レモンパイ好きだって言ってたし、
まぁ、女の子だし甘い飲みもんも好きだろうしな?」

「…どういう理屈だよ。意味わかんねぇ」



ふいっと萩原から目を逸らした松田は、
両手に持ったままの缶からじんわりと熱を感じて、
数日前に、焦ったように自身を探して謝罪の言葉をこぼしてきた彼女のことをふと思い出した。

甘くてほろ苦い_4→←甘くてほろ苦い_2



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (59 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
125人がお気に入り
設定タグ:名探偵コナン , 警察学校組   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

white12(プロフ) - さゆりさん» 嬉しいコメントをいただきありがとうございます。更新が滞りお待たせしてしまって申し訳ありません。また,体調についてもお気遣い本当にありがとうございます。更新頻度がまちまちで申し訳ない限りですが,引き続きお楽しみ頂けると幸いです。 (2022年8月31日 19時) (レス) id: 5b5db755e5 (このIDを非表示/違反報告)
さゆり - 更新ありがとうございます!これからどうなっていくのかドキドキしています。体調が悪いとおっしゃっていたので、どうぞ無理はしないでお大事にしてください。続きを楽しみにしています! (2022年8月30日 20時) (レス) id: 2b8084ecea (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:white12 | 作成日時:2022年8月4日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。