班長の貫禄_7 ページ20
「…ッ!」
「くっ…」
伊達の間合いに入り、道着を掴んだ腕に力を込めた降谷。
伊達は、正面から後ろ向きに加えられた力に対抗するように踏ん張り、
それを凌いだのだが──
直後、揺れる重心。
正面からかけられた力はすかさず道着を引っ張られたことで、
重心が逆方向にぐらついたのだ。
しかし、それも瞬時に対応し、
降谷の道着の襟元を掴み、そのまま隙を狙うように横方向に強く重心をかける伊達。
一瞬、降谷の身体がぐらつき、
──直後。
「うっ…」
ガクリ。
脱力するように思い切り体勢を低くし、膝をついたのは、
伊達だった。
降谷の怒涛の攻めに、全て対応できなかったという訳だ。
体勢を崩すため、重心揺さぶるようにして繰り返し攻撃を仕掛けた降谷は、
道着を掴まれ、体勢をわずかに崩したものの何とか持ち堪え、
同じく体勢を完全に元に戻し切れていないままの伊達の片足を、思い切り払ったのだ。
それも、
狙った右足はかわされてしまったため、瞬時に左足を狙い、
伊達の隙を上手くついたという訳だ。
その連続した技は、短時間の間に次々と繰り出されたもので。
「班長の負け、…か」
「凄ぇな…、降谷ちゃん」
「良く道場で自主訓練してるけど…、やっぱりゼロ、…強いな」
そんな2人の様子に、
諸伏たちは再び感嘆の声を漏らしていた。
「…やるな、降谷」
「班長こそ」
差し伸べられた降谷の手をガシッと掴んで立ち上がった伊達。
以前は、怪我のこともあり全力で対戦出来なかった2人は随分と満足そうで。
はぁ、はぁ、と似たように乱れた息をこぼしながらニヤリと笑みを交わし合っていた。
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white12(プロフ) - おと。さん» 嬉しいコメントをありがとうございます。作品をお読み頂けているだけでもありがたいのにそんな風に言って頂けてとても嬉しいです。本作はほぼ書き上げているので肉付けしつつの更新になりますが,今後もぜひお楽しみ頂ければ幸いです。 (2022年7月2日 14時) (レス) id: 35753a7d46 (このIDを非表示/違反報告)
white12(プロフ) - はゆさん» 本作をお読み頂きありがとうございます。作品が大好きと言って頂き,本当に嬉しく思います。描写など,回りくどい表現もあるかもしれませんが,楽しくお読み頂いていて嬉しいです。諸伏は私もけっこうお気に入りです☆今後もお楽しみ頂ければ幸いです。 (2022年7月2日 14時) (レス) id: 35753a7d46 (このIDを非表示/違反報告)
おと。 - タイトルがお話のあらすじ(?)みたいになっていて、とても好きです!描写も丁寧で分かりやすくて、大好きな作品です!頑張ってください!! (2022年7月1日 21時) (レス) @page14 id: e5cb42b723 (このIDを非表示/違反報告)
はゆ(プロフ) - はじめまして!主さんの描く描写や登場人物の繊細な心情が心惹かれいつも更新を楽しみにしてます。普段あまりコメントを残すことはないのですが、この小説が大好きなため書かせていただきました。特に諸伏くんの絡みが好きです。更新頑張ってください!! (2022年7月1日 19時) (レス) id: 064bc96d3c (このIDを非表示/違反報告)
white12(プロフ) - 瑠夏さん» とても嬉しいコメントを頂きありがとうございます。楽しく読んでくださっているとのこと,私もとても励みになります。ありがとうございます。今後もお楽しみ頂ければ幸いです。 (2022年6月29日 19時) (レス) id: 35753a7d46 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:white12 | 作成日時:2022年6月24日 16時