緑茶の匂いと親友の言葉_4 ページ4
「...は?」
先ほど景光が口にした同じ1文字を返す降谷。
「いや、ゼロが、”落ち着く”なんて口にするのはさ。
前はそういうことも言ってた気がするけど、最近じゃそんな話をすることもねぇだろ?」
「それは…、職場で気を抜けるはずもないだろ」
「じゃ、今はちょっとは気を抜けたってことか」
「からかってるのか」
公安警察。
警察庁の警備企画課は、常にピリピリした空気が流れている。
降谷のデスク周囲は特にそうだ。
しかし、そこにいるのがこの2人になれば、
ふとした瞬間に幼馴染の2人に戻ることがあるわけで。
一瞬、ジトリと、ふてくされたような顔をした降谷を、
周囲の人間が、“何があったんだ…”というように見つめている。
「別にからかってるつもりはねぇけど。
ゼロに落ち着く瞬間があるってのは、俺も安心するからな」
「何なんだ…」
「簡単に飲みに行ける立場じゃねぇからさ。
俺なんかよりもずっと。
いくら“安室さん”としても、そうだろ?」
「ヒロと話してる時間も、僕としてはけっこう落ち着くものだけどな」
「それは当たり前だろ?」
ニヤッと笑みを交わす2人。
特に言葉を交わすことはなくとも、
景光の上司という立場上、苦しい判断をせざるを得ないときもあるとはいえ、
降谷にとって、景光はやはり幼馴染であり親友なのだ。
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white12(プロフ) - なーこさん» 少々複雑な話になった気もしています。降谷が絡むとどうもそういう話になるようで...(苦笑)。本作も、最後までお読みいただき本当にありがとうございました。 (2020年7月15日 15時) (レス) id: 8691b63699 (このIDを非表示/違反報告)
white12(プロフ) - なーこさん» 互いに全く違うような感じですが、実はかなり近しいところもあるというか、本質的な部分を描きたかった本作でした。ちょっと切ないと言うか本質的に互いが抱える葛藤をさらに抉るような部分もありつつ、理解しあっていく(おもに降谷が、ですが)という... (2020年7月15日 15時) (レス) id: 8691b63699 (このIDを非表示/違反報告)
white12(プロフ) - なーこさん» 今更ながらの返信ですみません...。いつもコメントありがとうございます!2人の微妙な関係と、なぜかお互いに心地よさを感じるという矛盾のような必然性のようなそういったところが伝わっていてとても嬉しく思います。 (2020年7月15日 15時) (レス) id: 8691b63699 (このIDを非表示/違反報告)
なーこ(プロフ) - 完結おめでとうございます´`*普段時間の針が穏やかに進んでゆっくりなのに突然リズム乱して刻みだし早さ一定してない相原さんと普段寸刻を争い生きている降谷さん。2人一緒だと時空が歪みそうなのに何故か心地良くて...撒き塩での出会いが懐かしくしんみりします*。 (2020年7月6日 4時) (レス) id: e08e419bfb (このIDを非表示/違反報告)
white12(プロフ) - りんさん» お目汚しになった箇所も多いと思いますが、最後までお付き合いいただきありがとうございました。また、他の作品でもお会いできましたら幸いです。 (2020年7月5日 0時) (レス) id: 8691b63699 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:white12 | 作成日時:2020年6月17日 21時