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穏やかな夕暮れとおまじない_5 ページ22

自分の思っていることを、
つまり考えをちゃんと伝える。
それは、テンプレートに頼りがちの面接ではとても大事なことで。

それでも鈴宮は、
指南本を読み漁っていることや練習を重ねていることが裏目に出てしまうのか、
どうしても色々考えてしまい、
いざ面接になると型にはまった受け答えしか出来ない日々なのだ。

上手くいかない、と口にしたのは、
“面接結果が”ということだったのだが、その理由も何となく分かっていた。
どこか自分の中でしっくりこない気持ちが大きな蟠りを作っているのを、
自分が一番分かっていた。


当然、そこまでAが気づいているはずもないのだが。




「あ…、ありがとうございます」

『あ、それと、その塩まんじゅう。おまじない、かけといたから』

「…は?」

(…面接が上手くいくように、とか、
そういう…)


そういう安易なことを考えた鈴宮が訝しげにAを見つめると、



『それ食べたら、鈴宮くんがもっと笑顔になるおまじない、よ』


と、首を傾げてニコリと笑うA。


「は…?」

『ん?』

(…この人はまた――)


子どもを相手にしているかのようなセリフを吐くAに、
鈴宮はしばし瞬きを繰り返した。


「えっと、まさか、魔法使いかなにかのファンタジー小説読んだ…とか?」

『ちょっと、…バカにしてる?
今読んでるのは歴史小説よ?まぁ、ファンタジー要素もある架空の話だけど…』

「…ハハッ」

『何よ』

「いや、やっぱりファンタジーなんだと思って。
…当たっちゃったんで。
相原さん、感化され過ぎですよ」


おまじない、などとずいぶん安易なことを言われた訳だが、
鈴宮の顔にはじわりと普段の笑顔が戻ってきているようだ。

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設定タグ:名探偵コナン , 降谷零 , 警察学校組   
作品ジャンル:アニメ
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white12(プロフ) - リンさん» すごく嬉しいコメントありがとうございます!励みになります。劇的なストーリー展開ではないので物足りなく感じるかもしれませんが、そのように感じて頂けたのは本当に嬉しいです。話はもう少し続きますがお付き合い頂けたら幸いです。 (2020年5月23日 21時) (レス) id: 8691b63699 (このIDを非表示/違反報告)
リン - こう、じわじわと距離が深まっていくお話は中々夢小説にないので、個人的にとても嬉しいです。内容も面白くって読んでいて飽きない……すごい。更新楽しみにしてます! (2020年5月23日 16時) (レス) id: 73f2c7a15b (このIDを非表示/違反報告)
white12(プロフ) - アイスあるさん» 嬉しいコメントありがとうございます!全体的にほんわかするストーリーを目指したつもりなのでそう言って頂けたら嬉しいです!これからもお付き合い頂けたら幸いです。 (2020年5月16日 18時) (レス) id: 9553187897 (このIDを非表示/違反報告)
white12(プロフ) - あやなさん» 本作をお読み頂きありがとうございます。他の作品も読んで下さったとのこと、すごく嬉しいです!更新頻度はややマチマチですが、今後もお楽しみ頂けたらと思います! (2020年5月16日 18時) (レス) id: 8691b63699 (このIDを非表示/違反報告)
アイスある - 心が温かくなります!更新頑張ってください! (2020年5月16日 16時) (レス) id: 38b2fa8d4e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:white12 | 作成日時:2020年5月15日 23時

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