SNOW DROP II (2)【名探偵コナン/警察学校組】 (ページ24)

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長い1日_7 ページ24

そして、東都銀行米花支店では、
未だ後ろ手に拘束されたままのAが、
椅子に座り口を開かずにいる小柄な犯人に視線を向け続けていた。

他の2人の男は、少し距離のあるカウンターの方へ寄りかかり、
店内を見渡すように銃を向けている。

そして、少し考える様子を見せた後、

『…ねぇ。あなた、女性？』

Aが小さく口を開いた。
小柄な犯人の方を見つめたままで。

ギロリ、とAに視線を向けると、
ゆっくり近づいてくる犯人。

近づくとやはり女のように見える。

「…さっきから…貴方、殺されたいの？」

そしてポツリと投げかけられたその声は、やはり女性の声だった。

銃口をつきつけるようにしてAに近づいてくる女。

Aは少し目を細め、
その女を、いや、その銃口を凝視していた。

(…これも…)

女の方へ視線を向け、
緊迫した様子で、わざと小さく息を飲むA。

そこへ――

RRRRRRRR

カウンターの奥から電話の音が鳴り響いた。

「…要求はもう伝えたはずだ。さっさと公表の準備でもしてろ」

どうやら相手は警視庁の人間のようだ。

「人質の解放？出来る訳ねぇだろ。
変な真似してみろ。こいつら諸共、吹っ飛ばすぞ。」

またもガチャンと乱暴に受話器を置く、犯人の細身の男。

(…交渉、って訳ね。

ハッタリかもしれないけど、人質も、店も、諸共吹っ飛ばすつもり…。
文字通り、捨て身ってこと…)

警視庁とのやりとりをしていることから、
そして、他の2人の犯人へ指示を出しているようなそぶりから、
おそらく、カウンター内の細身の男がリーダーだろう。

爆弾の起爆スイッチはまだ確認できない。
犯人のうち誰かがリモコンのようなものを持っているのだろうか。

とにかく、下手に刺激する訳にはいかない。

(…爆弾は…本物？)

銃口を覗き、ある種の確証を得たA。
内部の構造から、
リーダーの男と、あの女の銃はおそらくモデルガンだ。

ただ、大柄な男は一度発砲している。
あの銃は、本物、ということだ。

そして、設置していたあの爆弾は本物なのだろうか。

動けない状況が何とも歯がゆい。