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別モンだからな。 _2 ページ44
侑斗と別れて、
このカフェをオープンして、それから1年。
このノートを捨てようと思ったことは何度もあった。
でも、それは出来なかった。
侑斗を忘れられないのではない。
自分の夢が詰まったものを、
あの頃の時間を、捨てることは出来なかったのだ。
それなのに。
今になって、侑斗が今日突然店に現れたことで、
この店を一緒にやろうなどと、ふざけた言葉を投げかけられたことで、
Aは半ば衝動的にノートを破ろうとした――
が、それはやはり出来なかった。
ぐるぐると、様々な感情が渦巻く脳裏に、
ふと、先ほどの松田の声が聞こえた。
“まぁ…、自分がやりてぇことと色恋とは別モン、だからな。”
侑斗ともう関わり合いたくない、という気持ちと、
彼と過ごした時間で生まれた、手元にある夢の一部とも言えるデザインは、
『別モン…、だからな…』
松田の言葉を真似するように呟くと、
Aはくしゃりと顔を歪め、
そのノートを、そこに描かれたデザインを大事そうに見つめた。
そしてそっと、再び本棚へと戻したのだった。
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作者名:white12 | 作成日時:2019年11月12日 20時