勘違い_2 ページ18
降 「…集中を切らしたのは、
…春宮だからだ。」
『だから、それはもう聞いたわよ。
私だから、手加減したって――』
降 「だから、そうじゃない…!
ちゃんと話を聞けと言ってるだろう!?」
『…』
少し感情的に、Aを叱る様に言葉を吐く降谷に、
Aは少し不満そうに口を閉ざした。
降 「…気になるから、だ。」
『…え』
降 「気になって仕方ないからだ。
ヒロが、言った様に。
春宮と組んでても、春宮のことが気になって仕方ないから、
集中し切れない」
『…は?』
降 「代表挨拶の準備だって、思う様に捗らなかった。
集中力の欠如など、あるまじき事だ。
でも――」
『え、えっと…』
降 「…何なんだ。
さっきも、簡単に井上に付いて行ったり、
仲良さそうに歩いてたって…
それに、あの時、あの男にキスされそうになったり、
2日前の夜に襲われかけたり、
警戒心が無さ過ぎるって言ってるんだ…!」
『…』
またも感情的に、
八つ当たりのように言葉を吐く降谷に、
Aは怪訝な顔をしてまばたきを繰り返した。
理解が追いつかない。
しかし、なぜか怒られている状況に、
再びフツフツと静かな怒りが湧いてくる。
降 「だいだい春宮は――」
『そんなこと降谷に言われたくないわよ…!
仲良く歩いてたって何?
そんなことした覚えないわよ…!
それに、キスされそうになったって…
あの日のこと、何度も言ってくるけど、何なの?
そもそも寝てたんだから、不可抗力じゃない!
何でそんな風に言われなきゃいけないのよ…』
降 「だから、そうやって好意を寄せてきている男の横で寝るなんて無防備だって言ってるんだ!
さっきだって、簡単に付いて行ってただろ…!
だから――」
『断っただけよ』
降 「…は?」
あの、ベンチでの出来事を思い出したのか、
徐々にヒートアップしかけていた降谷は、
Aの言葉に、ふと冷静になったようにきょとんとした言葉を漏らした。
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white12(プロフ) - ra -ra さん» コメントありがとうございます。SNOW DROPは,拙いながらも私自身けっこうお気に入りでして,警察学校組好きが溢れた作品でした。お楽しみ頂けていたなら本当に嬉しく思います。 (2021年5月26日 21時) (レス) id: 654daa9564 (このIDを非表示/違反報告)
ra -ra - やばい。何度読んでも面白い! (2021年5月18日 16時) (レス) id: 4001d860f3 (このIDを非表示/違反報告)
white12(プロフ) - 燎彩さん» とても嬉しいコメントありがとうございます!最高と言っていただけて本当に嬉しいです。長くはなりますが、続編 (II)も更新中ですので、もし宜しければお楽しみ頂けますと幸いです。 (2020年1月23日 13時) (レス) id: b6a71bc5a9 (このIDを非表示/違反報告)
燎彩(プロフ) - 完結お疲れ様でした!語彙力皆無なので一言だけ…最高です!! (2020年1月22日 11時) (レス) id: c873624ead (このIDを非表示/違反報告)
white12(プロフ) - さちさん» 本作をお読み頂きありがとうございました。面白かったと感じていただけてとても嬉しいです。もしよければ続編もお楽しみ頂ければ幸いです。 (2019年11月18日 23時) (レス) id: b6a71bc5a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:white12 | 作成日時:2019年9月1日 9時