あの日のベンチ ページ1
景 「もう、寮に帰った…よな」
走って追いかける様にして道場を出たとはいえ、
周囲にAの姿は見えなかった。
道着姿のままウロウロしているとも思えない。
足早に寮に戻ったのだろう。
しばらく周囲を探したが、
やはりAを見つけることは出来なかった。
景 「…はぁ…」
景光は小さなため息を吐いた。
詰め寄る様な言葉ではあったが、
淡々としたトーンで話しながら降谷を見据えていたA。
しかし、くるりと背を向けて去っていく瞬間、
悔しそうに、小さく唇を噛んでいたのが見えた。
景 「…ゼロには敵わない。
それでも、1本取ってやるって思ってたんだよな…。春宮は」
寮の近くをふらりと歩きながら、
昨夜の会話を思い出す。
手を震わせながらも、何度も降谷の名前を零したAを。
敵わない、と言いながらも、その実力を認め賞賛する様なAの言葉を。
景 「そりゃ、手を抜かれたなんて思ったら、悔しいよな…」
Aの心情を察するかのように、
景光は、複雑な感情とともに、苦笑いを浮かべた。
「お、ちょうど良かった。諸伏。
昨夜のことで少し聞きたいことが――」
ふらりと歩く景光がバッタリ出くわしたのは、
昨夜、Aが襲われた現場にかけつけた、教官だった。
213人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
white12(プロフ) - ra -ra さん» コメントありがとうございます。SNOW DROPは,拙いながらも私自身けっこうお気に入りでして,警察学校組好きが溢れた作品でした。お楽しみ頂けていたなら本当に嬉しく思います。 (2021年5月26日 21時) (レス) id: 654daa9564 (このIDを非表示/違反報告)
ra -ra - やばい。何度読んでも面白い! (2021年5月18日 16時) (レス) id: 4001d860f3 (このIDを非表示/違反報告)
white12(プロフ) - 燎彩さん» とても嬉しいコメントありがとうございます!最高と言っていただけて本当に嬉しいです。長くはなりますが、続編 (II)も更新中ですので、もし宜しければお楽しみ頂けますと幸いです。 (2020年1月23日 13時) (レス) id: b6a71bc5a9 (このIDを非表示/違反報告)
燎彩(プロフ) - 完結お疲れ様でした!語彙力皆無なので一言だけ…最高です!! (2020年1月22日 11時) (レス) id: c873624ead (このIDを非表示/違反報告)
white12(プロフ) - さちさん» 本作をお読み頂きありがとうございました。面白かったと感じていただけてとても嬉しいです。もしよければ続編もお楽しみ頂ければ幸いです。 (2019年11月18日 23時) (レス) id: b6a71bc5a9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:white12 | 作成日時:2019年9月1日 9時