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「桐島さん抜けるんは痛手やけど、それ以上に今は新装開店おめでとうって言ってあげなきゃね！
うちも頼りないけど、昼の部リーダーとしてシフト調整今まで以上に頑張るから、桐島さんも安心して新しい店頑張り！」
「―――……祥子さん？」
祥子の言葉に、円卓で通夜のように表情を曇らせていたメンバーが漸く我に返る。
そうだ。次のシェフを決める事に必死になり、肝心なところを逃していた。
これは、infinity∞の
「それにうちは、桐島さんがI-nfinity∞卒業した後も、残りのメンバーでINFINITY∞をやっていけるって思っとるよ。櫻ちゃんに縦続いてやから初めは大変かもしれんけど、一人一人のキャパシティはこんなもんじゃないし。それを引き出すのがうちらリーダーの仕事やから、任しとき。
ここは、夢を叶えるために頑張る家族を応援する場所―――せやから桐島さんは安心して卒業してくれたらええし、皆も安心して桐島さんに続けるように頑張ってや！」
―――洋平に続けるように。夢を、叶えられるように。
全力で応援するから、安心していい。
祥子がメンバーに向けたメッセージは、七汐の胸を静かに揺らす。
洋平に続けるように、勉強頑張るから―――
出来る範囲で、INFINITY∞に貢献するから
―――役に立ちたい。
こうして精一杯で応援してくれる貴女に報えるように
今以上に、“何か”を頑張りたい……
湧き上がる思いを返そうと口を開くが、上手く言葉に纏まらない。
“何”が出来るか―――具体的な内容が紡げない。
洋平を送り出すために声を上げてくれた祥子の背中を、支えたいのに。
開いた口を再び一の字に瞑る七汐の横から、若葉が身を乗り出す様に大きく片手を挙げた。
「はい！じゃ若葉、調理師免許取りに行きます！こう見えて、服飾担当手先は器用だよ！」
「良いわね。あたしも調理師学校行こうかしら―――。アクセサリー職人として、手先の器用さは負けてないつもりだし、花嫁修行にもなるでしょ」
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