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Glass 57 :誓約 ページ16
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祥子が決めた期限は
彼女に想いを伝えたあの日から、
何度も“ご飯の作り合い”を重ね、七汐の調理スキルはかなり上達していた。
“作り置き”のノウハウも憶え、休日や仕事を早く帰宅できた日に効率よく調理しておく習慣が板についてきた。
勿論、夕飯を作った方への
そして、
まるで夫婦のようなメッセージに、思わず緩んでしまう口元をマスクで隠しながら、
七汐は足早に更衣室へと向かう。
片手で『終わりました、帰宅します』とメッセージを作成しながらも、
すれ違うスタッフに「良いお年を」と声を掛けるのを忘れない。
祥子へのメッセージに夢中になり破顔したまま廊下を歩いていれば、
年明けの職場でどんな噂を立てられるか―――分ったものではないからだ。
非日常間の漂う職場のバックヤードを抜けて 駐輪場のバイクに跨れば、
浮ついた心に、冷たく乾いた空気が容赦なく吹き付けた。
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