今日:9 hit、昨日:39 hit、合計:3,426 hit
小｜中｜大
⋆ ページ9
・
「Stay with me―――？」
腕の中で微かに揺れていた静かな呼吸は、
やがて小さな寝息へと変わる。
祥子は、振り解こうと思えば容易に叶う位優しく握られた右手首に、視線を落とした。
そう。これは―――仕方なしに、だ。
寝てしまった七汐が、手首を掴んで離さないから
だから家に
“傍にいて”と掴まえながら
素直になれない祥子が欲しい言葉を 紡いでくれる
こんな自分を必要としてくれる事が嬉しくて
(君の隣が こんなにも心地いい―――)
「返事聞く前に寝ちゃうんや……
全く。
ずるいんは、君のほうやで―――？」
そっと握ったままの手首に 寄り添うように額を寄せながら
小さな寝息を立てて眠る七汐の頭を
祥子は 愛おしむようにそっと撫でた。
――― never let me go
おやすみなさい。いい夢を……
・
・
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 3人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
