検索窓
今日:39 hit、昨日:0 hit、合計:3,417 hit

ページ7




(え。こんな分かりやすい子やったっけ―――)


「?!―――ッ。そう言うのって、言わせますか?!」
これでも必死に、恰好つけてんのに……


「恰好、つけてたん?」

「いや。ツッコミ処、そこ?」



すっかり形勢が逆転し、興を削がれた七汐は頭をくしゃりと掻き乱した。


「素でいける訳ないじゃん―――。
そりゃ、どう足掻いたって貴女の元婚約者(元カレ)には敵わないけど……」

「そんな事、気にしていたん?」

「気にするでしょ!!」



声を荒立て慌てる七汐を前にすると、祥子の方が逆に冷静になれる。


確かに、INFINITY∞に押しかけてくる元婚約者の存在に悩まされた事もあったが、
あの一件以来彼がINFINITY∞を訪れる事はなく、
祥子自身、指摘されるまで元カレの存在を忘れていた程だ。

それどころか、近日中はやや強引な七汐の挙動に振り回されて、彼以外を考えられなかった。
まんまと七汐の術中にハマって絆されていく自分が、楽しくすらあったのに。


そう思えば、急に彼が可愛らしく感じてしまう。
普段、滅多に慌てる事もないクールな振りをしているくせに。



年下お試し彼氏は、

こんなにも振り回して、ドキドキさせて

こんなにも 愛おしい。




( 12月31日(期限)まで―――待てるはずもない)
“お試し期間”の結果は 期限を待たずに君の勝ち。


うちはこの先も、君にドキドキさせられたい。
君の夢を、一番近くで応援したい。




だから―――



「いいよ―――」

「?」

「だから―――“ご褒美”」




離れた距離を埋めるように両手を伸ばし、慌てる七汐の頬に触れると

祥子は不意打ちの深いキスで答えを返した。




⋆→←⋆



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (7 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
3人がお気に入り
設定タグ:小説 , 恋愛 , オリジナル作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:kohaku | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2023年7月23日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。