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「なんだ、受験は来年だろう?まだ
―――付け焼刃に覚えても、将来使えなきゃ意味がないだろ?
「あ、はい……そうですよね」
―――
高い目標を目指す事は嫌いではないが、苦手分野はどうしても独学での克服が難しい。
「うーん。俺もそんなに得意ではないが、手っ取り早く英語力を上げるなら誰かに教えてもらうのが一番だ。
英語学校に通うとかさ。最近はオンライン授業もあるし、金を払うと逃げだしにくくなるだろ?」
「
「まぁまぁ。後は、これが出来たらご褒美〜とかさ。
何かモチベーション上げるもんがあると頑張れるんじゃないか?」
「あー。鼻先の人参の方がやる気出ます」
「意外に現金な奴だな、お前」
実際問題、やる気が出ないなどと甘えた事は言っていられない。
「有難うございます。参考にします」
「ああ。期待しているぞ」
そう言うと、いつの間にか食事を終えた医師は、この後委員会の会議があるからと両手を合わせて席を立つ。
忙しい中でわざわざ時間を作り、悩む七汐を激励してくれたのだろう。
色んな人が、期待をしてくれる。
頑張れと支え、プレッシャーをかけて、応援してくれる。
ここが、頑張りどころなんだ―――
期待に……応えなければ―――
折角のチャンスを、逃すものか。翔も、皆も、それぞれの分野で頑張っているのだから。
ズキンと痛む上腹部を誤魔化すように、七汐は片手を強く握りしめた。
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