extras…υ 約束の場所 � ．汽ぅ疋好函璽蝓次蔑�翔side） ページ11
それは、遠い遠い昔の事――――
背丈の低い草花が一面に広がり、風が駆け抜けるその丘は、お日様の暖かさを感じられる特別な場所だった。
眼下には隣接するエルフの里が一望できるが、
森を抜けた先にある為人の往来は滅多とない。
その丘の、ちょうど頂上付近にある大きな木の上で昼寝をすれば、
日頃の厳しい鍛錬や嫌な事も忘れることが出来る。
「くそっ、あのオヤジ…手加減ねぇ―――」
手足の傷を舐めながら、木の上でいつもの昼寝をする狼少年の陸翔。
優しい風が、傷の痛みを癒してくれるようだ。
―――この程度の傷で、泣き言は言ってられない。
もっと強くなって…父を超えて―――いつか オレは…。
暖かい日に包まれ、いつの間にか寝ていた陸翔は、木の下に現れた気配で目を覚ます。
「―――？」
物音を立てぬように枝上で身体を翻し、気配を押し殺してじっと下を見ると
そこには金色の髪を風になびかせる、子どものエルフがいた。
傍らにバスケット籠を置き膝に本を広げる少女からは、殺気は感じないが、
エルフと言えば自然に由来する魔法を得意とする者も多い―――
死角にいるとは言え、間合いに入れなければこちらが不利だ。
―――どうする……先手を取って抑え込むか？
そんな事を考えていると、木の下で本を読んでいたエルフが途端に顔を上げた。
「―――っえ？……ッッうわぁ！」
吸い込まれるような緑の瞳とかち合い、気を緩ませた陸翔は身を潜めていた枝から落ちた。
ドサッ……
「―――痛ッッ」
咄嗟に身を翻して受け身を取ったが、無理な動きをした所為か、先程の稽古の傷が痛む。
「大丈夫ですか？」
草原に俯せる陸翔を、緑の大きな瞳が見つめていた―――
それが、彼女との出会いだった。
「けが―――してる」
ちょっこりと小首を傾げると、エルフの少女は陸翔の腕に両手をかざす。すると、触れたそこが温かく、傷が見る見るうちに癒されていった。
「―――……」
「おひざも、けがしているのね」
「ッおい！」
陸翔の足に手をかざし、傷を治そうとする無防備な彼女の手を掴むと、傷口から離させた。
「オマエなぁ。見知らぬヤツの傷なんか治して―――オレは狼男なんだ！そのまま喰われても知らないぜ？！」
ハノンはきょとんと、再び首を傾げる。
「でも、あなた―――けがしているわ」
「だから、怪我治してオレが動けるようになったら……」
「動けるように、なりますように―――」
extras…υ 約束の場所 �□�←第45夜：暁天の星 ��
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kohaku(プロフ) - 美園さん» こちらこそ、リクエスト頂き有り難うございます！この作品の大きなテーマが”暁天（夜明け）”であり、繋がりだと思っています。皆様の素敵なキャラクターと繋がれたおかげで、完結することが出来ました！本当に感謝です！ (2022年1月8日 22時) (
レス) id: cbd072c832 (このIDを非表示/違反報告)
kohaku(プロフ) - 彩華さん» 有難うございます！作中で成長していく主人公のように、この”暁天の星”自体が、関係を組んでいただいた皆様に見守られ、支えられて紡がれた作品だと感じ、感謝でいっぱいです！そして、イルアにも心温まるメッセージ、有難うございます！ (2022年1月8日 22時) (レス) id: cbd072c832 (このIDを非表示/違反報告)
美園(プロフ) - この話を支えてきたみんなから次の世代へ繋がる…やはり世界は回りますね…長文失礼しました！本当に素敵なお話ありがとうございました！ (2022年1月8日 19時) (レス) id: 16ac793f5a (このIDを非表示/違反報告)
美園(プロフ) - リクエスト叶えてくれてありがとうございます！しかもシノンちゃんの…やばい泣けてきます…そして紙芝居ってあの紙芝居ですかね？もう何回も読み返しても心にグッときて…これからも何回も何回も読み返させていただきます！ほんとうにありがとうございました！ (2022年1月8日 19時) (レス) @page20 id: 16ac793f5a (このIDを非表示/違反報告)
彩華 - 隼さんからだけじゃない、一緒にストーリーを紡いできた皆様からの作品に込められたメッセージが身に沁みます…！そして…大きくなりましたねイルアちゃん…お父様とお母様の愛情をたくさんもらって、伸び伸びと生きていってね…うちの2人も影から見守ってますからね… (2022年1月8日 17時) (レス) @page20 id: 324e983886 (このIDを非表示/違反報告)
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