第18夜：異界の者 �� ページ15
そう言うと、姉妹の上に大きな魔法布をかけた。
重たい物やかさばるものでも、魔力で簡単に移動させることが出来るこの便利道具も、魔女の長マリカに作ってもらった物だ。
『御意。ですが―――主が、人間に優しくするなど、珍しいですね？いつもなら“情報を売る”までの“餌”の扱いなど、乱雑ですのに』
「彼女達の情報は、リリン様に託そうと思う」
『―――親人派の、リリン様に…ですか？』
―――陸翔や他の嫌人派の人外達に渡れば、早々に喰われるだろう。
『―――…お優しですね。主は…人間が嫌いな嫌人派だと思っていましたが―――』
いつもの“隼”らしくない行動に、目を細め、嫌味交じりの言葉を投げるハク。返事のない主に、言葉を続けた。
『アリア様に会ってからですね―――……主が、変わられたのは』
「別に……」
魔法布に包まれてすやすやと眠る姉妹を一瞥すると、森に運んでおけと大鷹達に命じ、隼はフイと視線を背けた。
「そんなんじゃない。ただ―――」
―――……わたしが絶対に守って見せる！
―――おねえちゃんは私が守る！
(―――この姉妹を、ここで壊すのは惜しいと思った)
「ハクがそんなこと言うから、アリアに会いたくなった。後は任せたよ？」
『―――……御意』
紺色のストールを翻し、森を抜ける主人を見送ると、ハクは仲間の大鷹達に指示を出した。
大鷹達は人間の姉妹の身体を鬼の里近くの森へと運ぶ。
どちらも深い森に変わりはなく、人間がその違いに気づくとも思えない……
目覚めればきっと、夢でも見たかのように森を彷徨うのだろう。
『―――主の命だ。大事な取引材料である彼女達の監視を怠るな？』
キュル――
高い鳴き声を上げ、大鷹達はそれぞれの持ち場に戻った。ハクもまた、後を追って寝床へと帰る。
(まったく。変な意地を張らず、アリア様本人に対しても、今くらい素直にお言葉をかけて差し上げたら良いのに……)
『まだ―――引きずっていらっしゃるのですね。“大切な者”を失う怖さを』
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kohaku(プロフ) - レイレインさん» 有難うございます！師弟の回はもう少し続きます…！ (2021年5月27日 7時) (
レス) id: cbd072c832 (このIDを非表示/違反報告)
レイレイン - この陸翔と隼の関係、好きです！やっぱり結局は師弟なんだな。と温かくなります。 (2021年5月27日 6時) (レス) id: b67eda2bb0 (このIDを非表示/違反報告)
美園(プロフ) - いえいえ、こちらこそ身内みたいで見てて微笑ましいです！これからも身内みたいな幼馴染お願いします笑 (2021年5月26日 18時) (レス) id: 0b7aaa97b0 (このIDを非表示/違反報告)
kohaku(プロフ) - 美園さん» すみません…CSの関係逸脱してしまっていますかね…（汗）ハノンさんの事は、身内のように心配して、大事にしています！（陸翔達のCSで、ハノンさんとの関係欄のセリフ参照位に…照） (2021年5月26日 18時) (レス) id: cbd072c832 (このIDを非表示/違反報告)
セレーネー(プロフ) - kohakuさん» よし、応援します！頑張れ！隼さん！ (2021年5月26日 18時) (レス) id: f5691cda52 (このIDを非表示/違反報告)
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