第24夜： 二重の罠 �� ページ41
「――――――……(なんか、最近のハクの言葉が冷たいのは気のせいか？)」
―――まぁいい。
”ちょっと煽ってみる―――来るなよ？ハク”
”―――は……来るなとは？主……”
状況が呑み込めていないハクを他所に、大きく深呼吸をして精神を落ち着かせると、
隼はタイミングを見計らって両手で抱えていた紙袋を落とした。
”主ッ”
隼が荷物を落とすなど滅多とない。
何かあったのかと慌てて駆け寄ろうと翼を広げるハクに、
”来るな”と精神感応で念を押すと、
一人、道に転がった紙袋の中身を拾い集める。
「―――大丈夫？」
膝を落として果物を拾う隼の目の前に、転がった青いリンゴが差し出される。
隼は顔を上げると、リンゴの先にいる人物に視線を移した。
そこで微笑むのは、金髪に翠眼の優し気な青年………ゼロ。
(―――掛かった)
「有難う、ございます……」
隼がゼロからリンゴを受け取ると、転がった他の果物達が、まるで生き物のように動き出し、紙袋の中に入っていった。
「―――……」
その”魔法”に声を失う隼に、ゼロはニコリと微笑んだまま視線を合わせる。
「どういたしまして、魔女のお嬢さん」
咄嗟にとんがり帽子を深く被り直し、立ち上がると言葉を残さず走り去った。
「あ―――待って、君！」
背後でゼロが呼び止めるが、聞こえないふりをして建物の角を曲がる。
そして、上空で待機しているハクに、周囲の確認を依頼した。
”追っ手は来ているか？ハク”
”いえ、追跡魔法でもない限り、目視では大丈夫かと……”
(追跡魔法―――魔法使いは、厄介だな…)
隼は顔をしかめる。見た目は魔女に扮した隼だが、魔法を使えるわけではない。
当然、追跡魔法など掛けられていても、気づけるはずもない。
目に見えるものなら対処もしやすいが、
敵が見えないのであれば 索敵に気が抜けないうえに 緊張が常に付きまとう。
仮に追跡魔法なるものが掛かっているのなら、下手に変装を解けないだけでなく、
自らの里に戻る事も憚られる。
(追跡魔法無効化の魔道具みたいなものを、フェリルに作ってもらうか……)
追われている事を想定しながら、隼は魔法使いの里にある宿へと向かった。
・
・
・
「あら…いらっしゃい！久しぶりねぇ、ミストちゃん。またお姉さんのお遣いかい？」
恰幅の良い女性に声を掛けられ、隼はニコリと微笑むと、
宿のカウンター越しに紙袋を差し出した。
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kohaku(プロフ) - レイレインさん» 有難うございます！師弟の回はもう少し続きます…！ (2021年5月27日 7時) (
レス) id: cbd072c832 (このIDを非表示/違反報告)
レイレイン - この陸翔と隼の関係、好きです！やっぱり結局は師弟なんだな。と温かくなります。 (2021年5月27日 6時) (レス) id: b67eda2bb0 (このIDを非表示/違反報告)
美園(プロフ) - いえいえ、こちらこそ身内みたいで見てて微笑ましいです！これからも身内みたいな幼馴染お願いします笑 (2021年5月26日 18時) (レス) id: 0b7aaa97b0 (このIDを非表示/違反報告)
kohaku(プロフ) - 美園さん» すみません…CSの関係逸脱してしまっていますかね…（汗）ハノンさんの事は、身内のように心配して、大事にしています！（陸翔達のCSで、ハノンさんとの関係欄のセリフ参照位に…照） (2021年5月26日 18時) (レス) id: cbd072c832 (このIDを非表示/違反報告)
セレーネー(プロフ) - kohakuさん» よし、応援します！頑張れ！隼さん！ (2021年5月26日 18時) (レス) id: f5691cda52 (このIDを非表示/違反報告)
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